平成22年第3回定例会 本会議録 〜H22.9.30

○23番(横田久俊議員)

〜小樽市議会議員定数削減方について〜

自民党を代表して、陳情第1172号小樽市議会議員定数削減方については、不採択を主張する討論を行います。

当該陳情は、小樽市議会の議員定数を現行の28人から4人減じて24人に、常任委員会を1減して3とすることを求める陳情です。

我が党は、自治体の人口に応じて適切な議員定数を議論することについては、地方自治法が人口をベースに定数の上限を規定していることなどにかんがみても、人口という要素を一つの基準とすることは原点であると認識しております。陳情が指摘するように、本市の人口は減少し続けております。我が党は、こうした現象も踏まえ、いつまでも現行の定数を維持するという立場には立ちません。今後、定数削減を重要なテーマとして議論し、必要な定数を決定していくことには決してやぶさかではありません。

しかし、安易に、そして無制限に人口に比例して定数を削減していくことには賛意を示せません。議会の機能とのバランスが必要であります。当該自治体の財政規模、事業数、面積等々、もろもろの要素によって判断することが必要であると感じます。今回の陳情は、定数の4減を求めています。我が党は、今現在でこの4減という数字を直ちに了とすることはできません。4減の根拠をしっかりと説明していただき、それを基に、会派内、そして議会全体で議論、検討、研究することが不可欠であります。

議会は、公選によって選出された複数の代表者が集う合議体です。合議体を形成する人数があまりに少なくては合議が形成されません。1委員会当たりの委員数は6人ないし10人が望ましいとの識者の意見もあります。本音で議論できる最低構成人数は確保されなければならないと考えております。また、委員会の数も、市長部局、教育委員会等々の部、課の大枠に対応した必要な数が確保されなければならないと考えます。

陳情では、機能していない常任委員会があるとの指摘がありますが、仮にそうであるならば、これらについても議会としての検証や事実解明が必要であります。委員会中心主義の当議会では、委員会の数の減少は、その分、1委員会当たりの所管事項が増えることとなり、行政が複雑多様化する中で、委員会本来の専門的、効率的な事件審議を損なうことになりかねません。委員会の数は幾つが適正なのか、その検証も含めて十分に議論を重ねていきたいと思っております。

したがって、本陳情は、ただいま述べました理由から採択とすることはできません。定数4減、委員会1減を現時点で議会の意思とすることは、まだまだ議論の不足であるとの認識であります。

しかし、冒頭述べましたように、我が党は、今後も現行の定数でよしとするものではありません。来春の市議選は現行定数28人での実施を我が党の方針といたしますが、次々回の平成27年の市議選では、これまで述べました各種の検討事項を十分に議論し、定数削減を視野に入れた行動をしていきたいと思っているところであります。こうした議論には、議員だけでなく、市内の有識者、経済人、あるいは、地方自治の専門家等々に参加をいただき、深い議論を交わしていきたいと思うところであります。

市民から出される今回のような定数削減の要求は、本市議会が住民にあまり重要視されていないサインと見るべきであります。確かに、市民から見て、働かない議員、見えない議会であるならば、議員数を減らすのが当然との見方もそのとおりなのでしょう。しかし、一部の議員活動の問題を、即、議会全体の問題として取り上げ、定数を論じるのは、議会制度を危険に陥れるおそれがあるとの意見もあります。議会のチェック機能や監視能力の低下は、最終的には住民自身がマイナスを受けることもまた事実であります。

いずれにしても、議会の活性化、議会改革は、地方分権化が進む中、一層、必要不可欠であります。定数削減のみが地方議会改革の唯一の手段でないことは、皆さん方、御存じのとおりであります。我々は、これを機に、身を引き締めて議会改革に取り組んでいかなければなりません。

以上、議員各位の賛同をお願いして、討論といたします。(拍手)