市立病院調査特別委員会〜平成13年2月27日

 

○横田委員


◎不採算部門について

民主党の佐久間委員のあとで、私は自民党ですけれど、前回の委員会から当委員会に所属させていただきました。何回か傍聴させていただきまして、いろいろ勉強したつもりですが、前の議論と重複するような質問になるかも知れませんが、その辺はご容赦願います。私の方から2点ほどお聞きいたします。市立病院が、公立病院が責務としてかかえなければならないもの、不採算部門という言葉がいっぱい出ておりますが、現在、この小樽病院あるいは第二病院で、不採算部門というのはどういった部門になるのか、ちょっと教えていただきたいと思います。

 

○(樽病)事務局長

診療科目的に言うと、例えば小児科だとか、診療科目からいくとですね。やっぱり今、少子高齢化の中でどうしても瞬間的に発熱をする、あるいは長期入院になる方もいらっしゃいますけれども、2、3日で退院、大体はするというようなことからいけば、それに対する設備投資、医師の確保、そういったものがありますので、診療科目的に言うと小児科的なもの、それから産婦人科もそうでしょうね、診療科目的にはそういったものです。

それからもう一つは、いわゆる診療報酬上請求のできない部分といいますか、診療報酬に加味されない部分というのは結構あるんですね。いわゆる診療報酬というのは窓口請求でありますけれども、いわゆる点数制になってますから、いわゆる医師の技術料だとか、あるいは医療機器、こういうAという機械でもできるけれども、小樽病院は性能の高い機械を持っている。そういうこともありますので、どの部分ということだと非常に難しいんですけれども、いわゆる効率よく回転させるだとか、効率よく回すということが難しい部分が不採算部門ということで考えてございます。

 

○横田委員

科ごと10数個あるわけですから、科ごとに出ないということなんですが、私、本当に素人でこんな考えでいいのかどうかわからないんですが、普通の企業経営にたとえますと、各いろんな部門でそれぞれの収支、出しまして、ここが不採算部門なんだと。じゃあ、そのほかは採算取れていると。当然、一般会計から10億の繰出しがあるわけですが、私は市民向けには、こことこことこういう科目は、これは公立病院として当然負わなければならない不採算部門なんで、これだけの不採算の額が出るんだよと。ですから、この分を、例えば一般会計から、先ほど繰入れの基準の検討等もありましたけれども、そういったものがはっきりすると、市民としては、ああ、これは公立病院として当然負わなければならない部分なので、いたしかたないのかなということになるのかなと思います。経営全般を見ると、もちろん収支にならなければならないわけなんですけれど、そういったものが、私としては、素人としては各科目ごとに出ているのかなと思ったんですが、それは今のお話では出てないということでよろしいですか。

 

○(樽病)総務課長

今うちの局長がお話ししましたのは、通常、病院全体の中で、小児科だとか産婦人科、これ、人数が少ないということもございますので、病院の中では不採算部門に入るだろうということが伺えます。

それから、もう一つ、今の後段でございますけれども、全国的に公立病院は基幹病院という使命を受けてございますので、その中では、やはり国からの交付税が来てございます。これ、繰入基準になってございますけれども、大まかというんですか、そういう今の基準の中では、小樽病院の結核病棟、これらについても国からの交付税がきてございますし、精神病棟、これらも繰入れの中に基準になってございます。そのほか周産期、これは未熟児だとかそういう表現の繰入れでございますけれども、主なものはそういうことで、ある程度国からも面倒みてもらえますし、小樽病院でもそういうことで、今言いましたように結核だとか、救急病院だとか、精神病棟、それから高度医療、これらについての国からの補助がいただけます。これは当然不採算部門、持たなければならないという部門の一つに入ろうかなというふうに考えてます。

 

○横田委員

額はどのくらい補助でいただいているのか、資料はあるんですけれど。

 

○(樽病)総務課長

まことに申しわけございませんけれども、11年度の資料でちょっと説明をさせていただきますけれども、11年度では、まず救急医療に、確保に要する費用として約1億6,000万ほど、国の繰入基準なんですけれども、いただいてございます。そのほかに結核病棟として約2億5,000万、それから精神病が約2億、それから高度医療については約1億と、主なものはそういうものでございます。というのが主な項目です。

 

○横田委員

今の、単純に足して7億ちょっとぐらいになるんでしょうかね。一般会計から、10数億、13億ですか、ということですので、その分が不採算部門を国から、もちろん入るわけですけれど、一般会計からもこういう理由だということを明確にすると、先ほども言いましたが、市民も納得するのかなと思います。ちょっと私の認識違いましたら申しわけございません。今後、統合になるわけでしょうけれども、統合に向けているわけですが、その不採算部門を現行と同じようなことでやるのか、あるいはほかにというわけには、なかなかいかないんでしょうけれども、民間にも、例えば救急、何かをお願いしていくのか、何か不採算部門に関して、今後の統廃合に向けてのご意見等がございましたらお聞かせください。

 

○(樽病)事務局長

今のご質問ですけれど、先ほど来申しあげましたように、検討会議とか、懇話会だとか、構想検討会議、いろいろな部分がございますけれども、今そういった中で検討している主なものは、救急医療の拡大、今以上に救急医療の拡大、それからリハビリ医療に対する拡大。小樽病院のリハビリというのは、やはり術後リハビリですから、いわゆる社会復帰に向けてのリハビリ機能の診療科目と言いますかね。うちは診療科目とリハビリは標榜しておりませんので、そういった意味からリハビリをきっちり標榜してもらいたい、するべきだというようなこと。

それから精神については、まあまあ今の管理、二病の関係ですけれども、今、デイケア事業の展開をしておりますけれども、いろんな事業展開がありますので、これについては、やはり持つべきじゃないかということです。

それからあと結核については、これもいろいろ国療の問題やら関連の問題があるので、流動的要素がございますけれども、感染症ということで今やりますと、やはりこれ持たざるを得ないだろう。そういった意味でやはり民間病院の部分がありますけれども、不採算であっても市立病院としては、やはりこういう病院の不採算部門については、きちんと対応していかなくてはならない、いくことによって、先ほど総務課長が申し上げましたように、国からのいわゆる交付税措置、繰入れ・繰出しがございますので、これは市立病院としては受けていかなければならんだろう。

もう一つは、やっぱり収支バランスのお話もありましたけれども、一つはやっぱり不採算だから何でもだめだということでもありませんでしょうし、やっぱり収支のバランスをどう図っていくかということが大事なことだと思うんですね。例えばドクターの配置それから医療機器の配置、こういったものについて、やはりバランスよく配置していくことが、やっぱり今後は必要でないかと考えております。

 

○横田委員

わかりました。質問を変えます。


◎経営診断報告書について

懇話会の関係の報告がありました。12月20日の第6回の経営診断のときの報告書が出たので、それに関して各委員からいろんなご意見、ご要望が、感想が出たということなんですが、どのようなご意見あるいは経営診断に対する感想が出たのか、ざっくりと大まかなところでお聞かせください。

 

○(樽病)事務局長

経営診断報告書というのは、前に報告しておりまして、かなり各委員の方もご自宅で見ていただきました。そういった中で、この会議のときには、こっちの方からこの経営診断の全体の部分についてご説明をいたしましたけれども、総じて言えることは、小樽病院、二病のこともありますけれども、小樽病院の実態は、こんなにひどかったのかというのが率直な感想ですね。ただそれに対して、私どもはこの経営診断というのは、そもそも平成10年、平成11年、こういう決算のことの診断でございますので、これに対して、私どもの、特に平成12年に対しての経営努力というものについてはお伝えしてきたんですけれども、基本的には全体を見て経営状況が非常に悪いと、この原因はどこにあるかというのが主な議論です。主に経営改善については、そういうことが議論の一番大きなものでございます。

 

○横田委員

あとは私の記憶に、報道だと思いますが、廃院も視野に入れているというような部分で、ご意見があったんです。院長のご意見だったと思いますが、各委員の中ではどうなんですか。廃院を視野に入れているという部分でのご意見がたくさんあったとか、あるいは流れといいましょうか。公立病院はもう要らないやというような部分で、ご意見がそのほかにもあったのかどうか、その内容について。

 

○(樽病)事務局長

新聞報道で、廃院もあり得るということで大きな見出しが出まして、ちょっと我々もショックだったんですけれども、あれは報道関係の方と会長とのあれもありますけれども、私ども、公開してございますので、ありました。実質的には、あれは皆さん委員の総意ということではなくて、懇話会の会長が、いわゆる市長から、将来の市民が求める病院像ということでご提言をいただいたけれども、一つは、やはり必要なのか必要でないのかの議論からスタートするんだ、そういった意味で問題提起をした発言が、ああいう形になりました。確かに中身的には、懇話会の会長は、経営診断の前でございますけれども、経営状況、それから小樽市内のシミュレーションを含めた医療のベットの飽和状況、そういったことから考えて、病院の必要性について、ひとつ議論しましょうということでお諮りをした経過がございます。ただ、そういったご発言をされたのが会長だけでございまして、ほかの14名ほとんどの委員の方は、いわゆる新築検討懇話会ですから、その廃院うんぬんの会議ではなくて、病院の将来構想を練るということなのでということで、それもかなりやりとりしてございますので、流動的要素がございますけれども、会を進めるに当たって、懇話会の会長から、最初に新築ありきじゃなくて、経営実態をきちんと抑えた中で病院像をみんなで協議しましょうということでございますので、今、現時点ではそういうご意見は少なくて、ほとんどは経営改善をして、一日も早くというようなことで、途中経過はございますけれども、そういう審議経過でございます。

 

○横田委員

さきほど、非常に、懇話会の結果といいましょうか、3月いっぱいに出る意見は重く取り上げるんだということですので、これが廃院ということからくるとどうなのか、大変なのかという意味もありましたので、お聞きいたしました。

もう1点、今月の7日に行われました懇話会7回の方では、さきほどのご報告では、行政改革懇話会の方から今後の病院の在り方についてのお話があったということなんですが、その行革の方の立場から、病院の今後の在り方というのには、どういうご意見だったんでしょうか。

 

○(樽病)金子主幹

在り方と申し上げたんですけれども、一つに、新築する手法として機能的なことなんですけれども、アウトソーシングというような考え方も考えられるんじゃないかというようなことが1点。それからもう1点は、例えば病院の機能だけではなくて、福祉だとか、保健、そういうものの複合施設といいますか、そういう視点でも考えられないかというようなご意見もありました。

 

○横田委員

わかりました。懇談会の内容につきましては、もっと簡単に出ておりましたけれど、もう少しこんな話が出たというようなことをお聞かせいただけるといいのかなと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。

私の方の最後は、先ほど来から、病院の患者さんに対する応接といいましょうか、非常に改善されてきているということでしたので、私事で大変申しわけないんですが、私、昨年の秋と今年、今現在、母親がちょっと盲腸で入院しました。昨年なんか、私みずから人間ドックに入らせていただいた、そのときの感想を述べさせていただきますが、当然、病院にバッジつけていったわけじゃないんで、人間ドックの診療を待つのにいすに座っておりますと、通りがかる看護婦さんあるいは事務の方が、皆さん本当に「こんにちは、こんにちは」って声かけていくんですね。もちろん全然知らない方です。私も女性にあんなにあいさつされたのは本当に十数年ぶりで、また病院に行きたいなというふう思いました。それは冗談ですけれども、本当に気持ちいい対応を体験させていただきました。非常に変わってきたのかなという部分と、今回、母親が入院しているときも、ドクターからいろいろ説明を受けたんですが、あのときはバッジつけてたかな、本当に懇切丁寧に説明していただきました。実感として何か病院の中が変わってきているのかなというようなことを感じましたので、最後に申し添えておきます。以上です。