市立病院調査特別委員会〜平成13年9月3日

 

○横田委員


◎市立病院の統合新築について

二、三点お伺いいたします。

まず、基本的なことといいましょうか、今日資料をいただきました市立病院統合新築に向けて、いろいろな組織が書かれております。きょうご報告いただきました検討会議あるいは懇話会等々、それから経営診断等々もやられまして、着実に新築統合に向かって動いているのかなとは思います。

しかし、現実問題としまして、来年ぼんと病院が建つわけではありません。再来年も多分だめでしょう。もしかしたら3年後です。遅くなると4年、5年後というスパンで考えなきゃならない。その間にも、現実に、ここで議論している間にも、病院は患者さんが来ておりますし、当然、最短3年の間、今の病院が業務を続けていかなければならないわけです。

ご存じのように私がここで言うまでもないですが建物が非常に老朽化しております。何回か前の当委員会で私は、母親が入ったときの話をさせていただきましたが、そんなときに中身をよく見させていただきましたけれども、非常に汚いといいましょうか、不衛生という意味ではなくて、老朽化していて、非常に建物が古い。新宿の火災ではないですけれども、老朽化が原因となって、安全面にそごがあったり、患者サービスが低下したりということがあってはもちろんだめなのですね。

最低でも、ここ3年あるいは5年の間、現病院を使うわけですが、老朽化している病院は、当然、営繕だとか補修だとか、いわゆる補修管理が図られるわけですけれども、余り赤字を解消することに頭を置きすぎて、必要な修繕も営繕も極力抑えて、安全面をはかりにかけて、ぎりぎりでやっておられては、これは非常に困るといいましょうか、市民サービスにはこたえられないわけですね。3年5年というのは私が勝手にあれしたわけですけれども今後、営繕費、修繕費はどんどんかかっていくというのは、財政の絡みもありますが、その辺の基本的なお考えはどうなのでしょうか。

 

○(樽病)事務局長

今、委員からご質問のように、建築後かれこれ50年たってまいりまして、経営診断でもご指摘はされているのですけれども、病院としては、病院機能に支障があるというご指摘をいただいております。ちなみに、12年度決算見込みでは、小樽病院で約5,200万、第二病院で4,600万の、1億円ぐらいが残念ながら修繕費ということで出ていきますので、この修繕費というのは、いわゆる計画を立ててやるのでなくて、突発的に、例えば壁が壊れたり、後追いといいますか、そういうことになります。

そういったことからいきますと、やはりこれは手をこまねいている場合ではない。今、委員がご指摘のように、仮に新しい病院があと3年なり5年なりということになりますと、今、小樽病院に関して申し上げますと、外来患者が1,000人以上見えておりまして、特に、2階の眼科、耳鼻科、皮膚科、泌尿器科、この辺は大変手狭でございますし、患者のプライバシーが守れない、そういったこともありますので、私どもとしては、いわゆる後追いの修繕費ではなくて、あと何年かもたなければならないこの病院について、患者あるいは職員の安全確保、それから患者サービスの向上、こういった観点では、ある程度政策的に費用を入れて、いわゆる拡幅なり、そういった改善をしていく必要性はあるというぐあいに考えてございます。

今、大変ありがたいことに、今申し上げましたように、患者さんが大体1,000人から1,100人、午前中は座る場所もなくなっている状況なものですから、せめて古いなりにも、改築、新築までの間に、そういった趣旨での対応をしていかなければならないというぐあいに考えてございます。

 

○横田委員

病院を新しくするというのは、もちろん市民のニーズだと思いますけれども、それまでの間、患者さんに、例えば、3年後に新しくなるから今は我慢していてねと、こういう問題ではないと思うのです。その時々の患者さんに最良の医療を提供しなければならないわけですから、1億の修繕費がかかるということですが、大きな数字ですけれども、これまた、それを削って、さっき言ったように、けがあるいはサービスの低下、もっと言うと、医療事故なんかにも関係してくると、もちろん1億で済まないことになるわけですから、その辺は、しっかりとした営繕計画といいますか、そういうのがあるのかどうかわかりませんけれども、そういったところに手抜かりがないようにだけはしていただきたいということが私の意見です。

それから、今日ご報告いただいた検討会議の報告書の中で、単純にちょっとわからない語句がございます。語句の説明は、さきほどもありましたが、4ページの23項目のとっ始めに出ているので、多分重要なことだと思うのですけれども、新しい病院は地方公営企業法の全部適用団体という話になっております。字づらだけ読むと、そのことによって院長のリーダーシップが発揮できる体制にするのだということですが、これを読むと、今は院長のリーダーシップが発揮できないのかな、できていない体制なのかなというふうに疑問に思います。

地方公営企業法の全部適用団体になると、どういうメリットがあるというのか、また、クリアしなければならないどんな問題があるのかというのがちょっとわかりませんので、これは単純にお聞きいたします。

 

○(樽病)事務局長

今回の構想検討会議からご提言いただいた、我々はいわゆる全適、全適と言っていますけれども、現状から申し上げますと、市立小樽病院など病院事業会計は、現在、地方公営企業法の財務規定のみを適用してございます。全部適用ということになりますと、例えば小樽でいくと水道局がそうなのですけれども、病院的なメリットから申し上げますと、既に全部適用している病院からアンケートなどで聞きますと、まず、職員間に企業としての独立心というか、意識改革が非常にスムーズにいく。何となれば、今おっしゃいましたように、例えば病院の経営方針だとか病院の服務関係も、現場にいる病院長なり公営企業管理者が、一緒にいるわけですから、きちんと指示をする、そういった意味では、企業体意識というか、そういうものが持てる。

それから、二つ目には、人事権が確保できる。これはドクター人事も含めてなのでございますけれども、その辺については、現行からいくと課題があるのかなというふうに思いますが、地方公営企業管理者として人事権を持っている。

三つ目には、病院独自の経営方針、これをもちろん定めなければなりませんし、持っていくわけでございますけれども、これについても、今の一部適用、財務規定の中では十分クリアできる課題だと思います。

それから、一番大きいのは、院長の経営責任があるということでございまして、必ずしも、全適が全部メリットがあるということでは、今の指定を受けているところでは、そういうことについての情報はございません。

ただ、全部適用というのは、実態で見ると、北海道でまだ標茶町立病院ぐらいしかないと思いますけれども、経営基盤がきっちりしていないと、今言ったように、人事権はある、経営方針は決められるというけれども、裏を返すと、経営責任を果たせるかということになります。

現行の地方公営企業法なり地方公務員制度からいきますとこの全部適用というのは経営が完全にできていくそういった意味では乗りやすいのでしょうが、まだまだ遅れている課題も多く抱えてございます。

今回、構想検討会議からご提言いただきましたが、院内的にももちろん協議しなければなりませんし、これは実は、全適をするとなったら、議会の議決事項でございますので、改めてご相談する場合があると思います。とりあえず、メリット、デメリット、功罪はあるのですけれども、基本は経営基盤をきちっとしていく、それが前提条件というふうに聞いております。

 

○横田委員

要するに全適を受けると例えば補助金が来るだとかそういった経済的なメリットはないということですね今のお話だと。どうなのでしょうか、とれればとった方がいいのかなという程度なのか、ちょっとよくわかりません。最初に書いてありましたので、これは余分なことなので、単純にご質問いたしました。

それで、報告書の内容ですが、医療の専門家のドクターがいろいろ検討していただいた内容ですので、多分といいましょうか、すばらしいあれなのだと思いますけれども、さきほど局長が言っておりましたように、最新の医療のソフトをそろえるうんぬんという、随分満々の報告書になっているわけです。多分、これを全部やるとまた赤字になっていくのかというような気もいたします。

それから、電子カルテとか、さきほど中島委員の質問にもありましたが、我々がなかなか理解できないようなソフトの部分等々があります。反面、こんなこともやっていなかったのかというものもあります。

というのは、材料の管理なんかも、これはちょっと知っている職員に聞いたところによると、数量なんかをパソコンでやっているようなお話もお聞きいたしました。

さきほどの話で、全部が全部、これから採用していくものではないというあれでしたので、いいのですが、優先順位といいましょうか、ここは必ずやっていくのだというのは、これですとちょっとわからない部分があります。

その辺のお考えをちょっとお聞かせいただきたい。

 

○(総務)市立病院新築準備室長

今回の報告書の中では新しいシステムなどの導入についてかなりうたわれておりますそういったような形でこれを全部導入した場合については、ランニングコストとか、いろいろな費用とか、そういったような経費の面で見た場合にどうなのかということも問題になります。

それからそういう新しいシステムを導入してスムーズにやっていけるのかあるいは導入するに当たっても開院してからすぐ導入するのでは間に合わないから、ある程度事前に導入するということも考えなければならないのではないかとか、いろいろな問題があろうかと思います。

そういったようなことで、今、全国にこういったようなシステムを先行してやっている病院も幾つかございますので、そういったところから資料を取り寄せたりして、どういう状況なのか、それから、例えば電子カルテにしても、そういったようなシステムを導入しても、先生方のご協力をいただかなければスムーズに動かないわけですので、そういった体制がとれるのかどうかということもこれからの課題でございます。

ですから、そういったもろもろの課題を今回この両院協議会等で検討して、小樽にふさわしいシステムを導入していきたいというふうな考えでございます。

 

○横田委員

新しいシステムは、当然、どんどん取り入れていただいて、それこそ患者サービスの向上を目指していただきたいのですが、さきほどISOの話も出ておりましたけれども、ISOをとるのにも費用がかかるわけですよね。500万とか1,000万だとかという費用がかかりますし、医療系のいろんな機械、CTだとかMRI、シンチグラム装置等々を設置されるべきであるというのも莫大な費用がかかるわけです。その辺、いずれにしてもしっかり見極めて、必要なものはどんどん入れていただくというようなことをお願いいたします。

最後に、ボランティアの話で、今日の読売でしたか、病院ボランティアの記事が出ていました。ボランティアを募って、患者さんが連れてくる子どもさんと一緒に遊んであげるだとか、あるいはおむつの取替えだとか、そういうボランティアを採用して、病院に来る患者さんへのサービスに十分努めようというようなお話がありました。

ここに書かれていたボランティアも、そういったことと、16項でしたか、これで何か具体的なものがございましたら、教えていただきたい。

 

○(総務)市立病院新築準備室長

市民ボランティアについて、検討の段階では、現時点において第二病院で既に精神科の方でボランティア活動なんかを行っております。

それから、あと、今後の課題としまして、例えば札幌の事例なんかでいきますと、外来患者の案内とか、入院病棟の触合い活動ということで話し相手だとか本新聞の代読だとかこういったようなことをやっております。

それから会員制をしいて会員になっていただく前には事前に面接なんかも行ったりしておりますので今後小樽病院においてはどういう形がいいものかどうかというのは、これからの検討の課題でございます。

 

○委員長

自民党の質疑を終結して、市民クラブに移します。