市立病院調査特別委員会〜平成14年5月28日

 

○ 横田委員


◎ 新病院の整備方針とスケジュールについて

私の方から、二、三点ほどお聞きいたします。

冒頭に、新病院の建設整備方針というのが示されました。これまで、病院側で新病院の建設に向けて着々とさまざまな計画を進めてきたのだという表れの一つといいましょうか、成果といいましょうか、そういうものが活字になってきたのかなと。これまでも、さきほどちょっと出ておりましたが、こうした検討会議の報告書だとか、そういったものがございましたけれども、はっきり方針ということで出たのは今回が初めてだと思います。我々としても、待ち焦がれていたといいましょうか、待っていたものがやっと出てきたのかなというふうに評価しておりますので、今後、これを基に、さきほどのフローがありますので、この流れに沿っていくのかなと思います。

この整備方針について、一言、印象といいましょうか、感想を述べさせていただければ、最初の部分の基本的方向だとか基本理念、あるいは、運営の方針、要するに、いわゆる訓示規定みたいなところでしょうか。さきほど理念についていろいろ議論がございましたけれども、ここら辺は、病院経営にかかわる皆様方が一生懸命つくったということであって、我々からすると当然かなという部分もたくさんあります。

 例えば、質の高い診療機能、施設の整備、これはあたりまえですね。それから、人間性を尊重する医療を提供するのだと。もっと言うと、安全な医療提供と、これも極めてあたりまえのことです。こういう方針の性格上、こういうものを書かざるをえないのかなという部分があります。これは、もちろん尊重しなければならないことですので、いいと思います。

細かく中に入って、部門別の運営方針は、非常に、これまでは出てこなかった、例えば病室あるいは個室など、いろいろな設備の整備方針が、事細かにとまではいかないけれども、ある程度載っております。反面、こういうものを目指すのだとか、考慮する、検討する、図るということで、不確定といいましょうか、そういう要素もあります。

それで、この整備方針に基づいて、これから、フローでは、このたび基本構想をコンサルに委託するということです。さきほど中島委員の方からも質問がありましたが、このスケジュールについては、大まかに、さきほど構想の後の基本設計に1年、実施計画に1年、着工に2年ということで、基本構想の策定後4年、今からですと開院まで5年、5年後に開院できるということを改めて確認させていただいてよろしいですか。

 

○ ( 総務) 市立病院新築準備室長

さきほどスケジュール的なことをお話ししましたが、当初、今の段階では、起債の関係の協議などもございますので、はっきりしたスケジュールは申し上げられないということで、仮にこれが順調に行った場合に、各基本設計、実施設計、それから着工にそれぞれこれだけの日数を要するという点から言うと、このままで順調に行った場合については、平成19年度開院というお話をしたわけでございます。

 

○ 横田委員

基本構想が来年6月ころに出来上がるということです。さきほどの繰り返しになりますが、中島委員の方から、市民の最も関心のあるのは、どこに出来るのだろうか、あるいは、いつ出来るのだろうか、それから、幾らかかるかというのは別にしても、こういった場所、それから開院時期について、これからいろいろな各段階がありますけれども、いったいどの辺に出てくるのかなと。基本構想の中に入るということでよろしいのですか。

 

○ ( 総務) 市立病院新築準備室長

基本構想には、やはり、できることなら場所が決まっていて、場所をある程度お示しすべきだと。ただ、スケジュール等につきましては、他都市の状況などを見まして、例えば、今、苫小牧が基本設計をやっておりますけれども、ここにつきましても開院時期等については、まだはっきりお示ししておりません。そういった中で、時期的なものは、やはり道との協議なんかを終えなければ先が見えないという問題もございます。それから、小樽の場合、いろいろクリアしなければならない課題もございますので、時期的なことは、基本構想に盛るというのはなかなか難しいかと思います。

しかし、場所については、できることなら、場所をお示しすればいいのですけれども、今の段階では、検討を進めて、さきほど言いましたようにプロジェクトで集中的に検討していって、基本構想と並行して検討していくわけです。基本構想を出せる段階でお示しできればいいのですが、そういうふうになるように努力はしておりますけれども、今の段階では、土地の問題は相手のこともございますし、いろいろと整理していかなければならない課題もございますので、基本構想に載せるということは、はっきり申し上げられないと思います。

 

○ 横田委員

場所はできるだけ早く開示した方がいいのかなと。基本構想の出来上がるのが来年6月ですから、その前後といいましょうか、その辺になるのかなということで認識しております。

他市の例と言ったら悪いのですが、私が釧路にいたときに、ちょうど釧路で市立病院を建て替えたのですが、当時、幣舞橋の近くのロータリーのあの辺にあったものを、狭隘だということで、たしかだいぶ離れたところに建てたのですね。あれから何年もたっていますので、今は、アクセスといいましょうか、それぞれが車に乗ったり、あるいは、交通機関などもあってと。場所については、いろいろ市民アンケートもあるようですから、例えば遠くても広くあった方がいいのか、あるいは、狭くて駐車場がない場所がいいのか、その辺をよく見極めて、場所を選定していただきたいというのが私の希望でございます。

それでは、戻りますが、開院が5年後ということであれば、前にもちょっとご質問しましたけれども、また5年間、今の病院舎を使わなければならないわけです。先日、同級生の見舞いに行って、改めてよく見ましたら、相当に老朽化が進んでおります。当然、あと5年後ですから、まだまだ修繕、あるいは営繕、補修、管理が必要なのかと思います。今後5年間でどの程度費用がかさんでいくのか。修繕費といいましょうか、何というかちょっとわかりませんが、そういったものの見通しというのは、どのぐらいかかるのかというのは何かシミュレートしておりますか。

 

○ ( 樽病) 事務局長

委員から前にもご指摘を受けておりまして、その後、私どもは院内に帰りまして、確かに老朽化が著しいものですから、患者さんのことも考えまして、院内環境改善委員会、これはまだ立ち上げてございませんけれども、院長の下に、院内環境改善委員会というものをつくりまして、今言った老朽化に伴う弊害、こういったことの課題出しをしようと。ついては、その後、順位付けをしまして、患者さんの安全、職員の安全、それから手戻りにならないというような趣旨から、大きく分けて三つあるのですね。

一つは、給排水の件です。給排水については、ある程度手をつけておりますけれども、赤水が出るのでしたらいいのですが、赤水も出なくて詰まっているところもありますので、そういう給排水の対応をどうするのかということが一つです。

もう一つは電気です。電気は、容量をオーバーしてございますので、ちょっとした電圧の高いものを使いますと、断続的にいろいろな事故が起きています。そういった意味では電気容量の問題です。

それからもう一つは、特に外来なのですけれども、今、小樽病院に限って申し上げますと、外来は平均しますと1,200人の患者さんが見えております。これは、やはり、想定しているときには600くらいなのですね。倍以上の患者さんが来ているわけですから、患者待合室、それから、いわゆる中待ち、診察室、これらが非常に狭隘になってございまして、いわゆる問診状態ならいいのですが、診察していることが全部筒抜けで聞こえてしまうというようなことがありますので、ここもちょっと手をつけたいということです。

大きく分けて、給排水と電気と外来対応、今言った手戻りにならないように、安全確保を最優先にして、相当な予算をつけて積極的に対応していかなければ、口を開けていて待つだけになりますので、その辺はまたいろいろとご相談しなければならないこともあります。そのときには、今言った院内環境改善委員会を立ち上げて、小樽病院では考えていきたい、このように考えております。

 

○ 横田委員

ぜひぜひ、もちろん患者さんの安全確保ということは最優先されなければなりませんので、電気が落ちて医療機械が止まったみたいな話では、これはまたどうにもなりませんので、ひとつよろしくお願いいたします。


◎ 業務の民間委託について

最後になりますが、先日、総務常任委員会で桑名市へ行政改革の関係の視察に行ったときに、お話を聞きましたけれども、いろいろな大綱を立ててやっていると。余り進んでいないという話ですが、中で、胸を張って一つだけ言ったのは、さきほど出ていましたけれども、病院の給食調理を民間委託にしたのだということを大きく言っておりました。人数はちょっとはっきりわかりませんでしたが、十数人の正規の調理員を、もちろん首を切るのではなくて、市長部局といいましょうか、他の部門に、保育園などの給食に回して短期間で民間委託できたと。そして、その給与と民間委託の差が数千万出た、浮いたということを報告されていました。

この方針を見ましたら、整備方針ですから、そこまで踏み込めなかったのかもしれませんが、給食については、給食の施設をうんぬんということが出ているだけであって、民間委託に対する考え方はどうなのかという考えはちょっと出ていないように思われますので、その点を最後にお伺いいたします。

 

○ ( 樽病) 事務局長

給食調理については、だいぶ前の議会でご指摘を受けまして、民間業者何社かに受皿になりうるかどうかについての情報をいただいてございます。また、私どもは、当初思ったのは、治療食としての位置づけから、3食、365日ということでいろいろ不安があったのですけれども、受皿的には何ら支障がないということを確認してございます。

それから、全道各地の状況を見ていますけれども、新築したところは別ですが、まだ全部委託というか、直営がまだ主流なのですね、市立病院の場合は。民間病院ですとあれですけれども、市立病院の場合、去年の最新の資料ですけれども、まだ直営が主体で、その中でも部分委託からスタートしている。いわゆる配膳だとか洗浄だとか、そういったところからスタートしてございます。いろいろ理由はあると思います。

私どもも、さきほどから申し上げていますように、小樽病院に関して言いますと、職員は16人、嘱託14、臨時職員というようなことで、相当な人数を抱えておりますので、確かに、経営効率だとかから考えますと、これも大きな課題です。

ただ、これを委託するとなりますと、今いる職員をどうするか。給食調理員の位置づけですから、それで配置転換ということになろうかと思いますけれども、そういった調整は、実はまだ具体的にしておりませんので、できれば、統合・新築に向けて、もう少し議論をして、職場議論といいますか、組合とは別に、いわゆる治療食の位置づけで委託がすぐにできるのかどうか、そういうような議論はしていきたい。

いずれにしても、全道各地の状況は入手してございまして、今、勉強しておりますので、給食調理に限らず、いろいろな職種があると思うのですね、民間委託ができるものについては。それらについても、この新築・統合の中で検討できるものは検討していきたいというように考えております。

 

○ 横田委員

私は、終わります。