学校適正配置等調査特別委員会〜平成17913

 

○横田委員

 

◎ 実施計画案の取下げに至った経緯について

冒頭の報告を聞きまして、質問の前に我が党の感想といいましょうか、見解といいましょうか、それをちょっと申し上げたいと思いますが、この計画は当初から我が党は適正配置というのには賛成であることは何度も申し上げています。当委員会でも各会派、我が党も、また公明党もそうですし、平成会も、民主党・市民連合も適正配置実施自体は反対するものではないというお話をされていますし、私もそう認識しております。そういった中で、この適正配置の大きな目的である児童の教育環境の向上という大きな目的があったわけですけれども、それが今回の取下げでそういったことがなくなるといいましょうか、一時先送りになるということには、本音を言うと多少残念な気はいたします。これまで何回も議会で議論してきましたし、いろいろな御意見もあった中で、こういう結果になったわけですから、それはいたし方ないとしましても、大前提の部分でいろいろずれてきたということには、今言ったように多少残念であります。

しかし、一つの特別行政委員会である教育委員会が提案した案を熟慮の上といいましょうか、相当いろいろ教育委員会内部でも議論はあったと思いますが、今回取り下げるという非常に思い切ったといいましょうか、決断をされたわけですから、我が党としては、それについては共産党も評価されているのですが、我々も了承するといいましょうか、これはいいだろうと、これはいろいろな市民の声を聞いた、あるいは議会の声を聞いていただいたと理解するわけであります。

先ほどから、こういった結論に至ったというお話は聞いておりますけれども、もう少しなぜと言ったらいいか、こういう結論に至った要素とか、そういうことをもうちょっと詳しく聞きたいと思います。本当に私が議員になってから、こういうふうに行政側が上げた案を撤回したといいましょうか、それはないような気がしますので、大きな判断だったと思いますので、その辺をもう少し説明いただければと思います。

 

○教育部川原次長

今回、取り下げるに至った経過ということでございますけれども、先ほど山村主幹の方からも報告をさせていただきましたが、実施計画案の説明会を開催し、そして最終的に変更案ということで実施期日を18年、それと19年に分ける変更案ということで私ども示したところでございます。その変更案の説明におきましても、堺小学校以外の学校につきましては、なかなか理解が広がっていかないという状況がございます。昨年の11月からこの計画案につきまして説明会で話をさせていただいておりますが、10か月ほどたってこのような状況でございます。こういう状況がなお続きますと、子供とか保護者に不安を長引かせるという状況が続くというのが一つございます。

また、先ほど申し上げましたように、少子化というのが非常に予想以上に進んできていると。平成16年の出生数、これが報告されましたけれども、昨年度まで1,000人新入生がいたのが、今900人台、22年度に923人が23年度の入学者においてはもう774人、23年度には大きく149名減少するという推計が出てございます。こういった実態ですとか、先ほど話しておりますように、今、中教審で少人数学級のあり方についてまさに今審議中でございます。そういった関係、それと施設の耐震化の関係とか、こういったもろもろを総合的に判断をいたしまして、今回取下げをいたしまして、そして今後新たな計画実現に向けていきたいということで決断をしたころでございます。

 

○教育長

今の川原次長にさらにつけ加えさせていただきますけれども、保護者の意見はもちろんでありますが、最終的には小樽市議会の皆さんからやはりたくさん意見をいただきながら進めていくのが我々の本務でございますので、そういう面で会派からも地域の実態を踏まえなさいとか、親の意見も聞きながらとか、そういう貴重な意見、さらにはこういうような学校適正配置等調査特別委員会でもいろいろな方からいろいろな意見をいただきましたので、それらを全部トータルして総合的に考えまして、最終的に今回私たちは取り下げたところでございますので、そこのところは御理解いただければと思います。

 

○横田委員

我が党と公明党は、もちろん適正配置自体には賛成であるけれども、ぜひ皆さんのそういう要望書をこれは過日出しております。そんなことも若干考慮していただいたのかなと。さっきそう言うのかと思ったのですが、出なかったのですけれども、自分で言うのは手前みそなのですけれども。そういったこともいろいろ踏まえていただいたのは、繰り返しになりますけれども、大きな御判断だったのかということで評価させていただきます。

 

◎北手宮小学校について

先ほど来、共産党からお話がありましたが、北手宮小学校の話も出ましたが、北手宮小学校については来年は8人ですか、それから再来年は15人、その次はまた9人という、これは単純な数字ですけれども、そういうふうに1けた台の新入生になるわけですね。ですから、この辺、今のお母さんたちでなくて、今度新入生のお母さんたちが、あるいは複式では困るということでいろいろな御意見が出てくるのではなかろうかと。あるいは今のお母さん方からの今の時点ではそういうことはしなくてもいいという御意見を聞くと、そういうふうに私は理解したのですけれども、そういうことでしょうか。何が何でも北手宮小学校を、だんだん少なくなるので、どちらかに手宮小学校、手宮西小学校に統合するという話を進めていくということではないですね。その辺はどうですか。

 

○教育部長

まさにそのとおりでございまして、先ほどから申し上げておりますように、堺小学校よりもやや規模の大きい学校という位置づけであります。そういった中で、堺小学校は残念ながらもう既に5年前から複式学級ですが、来年度もさらに減っていく状況になります。北手宮小学校を見ますと、今後各学年の推移が漸減に推移していくと、こういった状況が平成23年ごろまでこのままなっていきます。そして、複式学級につきましては少しまだほど遠いという状況にありますけれども、今のままでいきますと、平成24年度、新1年生ががくんと非常に落ちる状況になりますので、そういったことの将来的なことも話させていただきたい。何が何でも今直ちにどうするということではなくて、今後のやはり少人数教育という全般的なあり方について、落ち着いて話させていただきたいと、こういうことを申しておるわけです。

 

○横田委員

経緯はそれをさっき聞いたので、いろいろお話は聞いているということなのでしょう。そうだね。何か私が教育委員会の答弁をしているみたいで。そういうふうに私は理解したので、確認したわけですけれども。

 

◎今後の適正配置の考え方

それから、共産党の話と大分重複するのですけれども、こういうふうに今回計画が取り下げられたと。先ほど来のお話で、今後はどうしていくのだという話が問題になっているわけですけれども、全市的にいろいろな部分を勘案しながらやっていくという御答弁でしたけれども、直近ではなくても、この適正配置計画を進めていくと、必ずどこかの学校はなくなるわけですね。現行の学校の数のままで適正配置が進んでいくということは絶対ないわけですね。どこかがなくなるか、あるいは何校かがなくなって1校になるかということです。

今回、地域の皆さん方の反対の御意見の多くは、うちの地域から学校をなくさないでくれという御意見がほとんどでしたね、手宮小学校にしても、量徳小学校にしても。当然、適正配置を進めていくと、さっきの繰り返しになるけれども、学校はなくならなければならないのだけれども、また同じそういう声は必ず出てくると思うのです。そういうときに、先の話だから、今聞いても答えが出ないかもしれないけれども、どういうふうに教育委員会は地域の方々を納得させ、そして進めていくのか。そうでないと、そういうことも考えておかないと、また同じてつを踏まなければならないこととなりますので、その辺何かお考えが教育委員会にありましたら、どうぞ。

 

○教育部長

今回の実施計画案を策定するに当たりましては、教育委員会でデータをすべて集めて、そしてそれを基に教育委員会が自分たちで作成してきたという状況にあります。そうした場合に、私どもも少し懸念していた部分がやはりあるわけでございまして、こういったバックデータ的なもの、今後の児童数の推移とか地域別の推移、こういったものをオープンにしながら、そして基本的にまず学校規模、あり方はこの地域はどうなのだろう、そして区域割をどうしていけばある程度複数学級を保っていけるのだろうと、こういった具体的なデータを基に、それらを将来像も出ておりますけれども、まだ固まってはおりませんけれども、今後やはりオープンにした形でそういうことを示しながら作業を進めていくことが共通の理解に立っていく一つの条件、前提かと、こんなふうに考えているところ

でございます。

 

○横田委員

例えば今回の堺小学校は、父母の方々がぜひやってくれというお話ですけれども、そういうふうにせっぱ詰まってという言い方がいいかどうかわからないけれども、せっぱ詰まってからそれではどうしましょうか、あるいはせっぱ詰まるまで待っていてやるというやり方は、たぶん反対は少ないかと思います。これは切実な問題、そこが社会の現実でありますけれども、しかし、それでは行政として小樽市の全体では、将来を見据えた計画ではないと思うのです。ですから、確かに反対はこれからも当然あるかもしれません。しかし、そういうところをうまく説明できるように将来を見越して適正配置計画というのは立てていかないと、せっぱ詰まるまで待ってやりましょうでは、これはちょっと非常にいかがなものかと思いますので、細かい返事は出ないでしょうけれども、先ほど来の答弁で適正配置計画もまだまだ進めるということでありますから、その辺は十分留意していただきたいと思います。

 

◎適正配置に賛成の市民への対応について

それともう一つ、今回の説明会で大方が反対の御意見だったとは伺っております。しかし、半面、この説明会では出なかったにしろ、適正配置をしっかりやってほしいという声も、これは私はあると認識していますし、あれは事務局に電話か何かでしたか、現実にそんなものもありましたね。賛成という御意見あるいはミニコミ紙なんかにも賛成の御意見なんかも書かれているのを見たことがあります。どうしても反対の御意見というのは、力強い部分がある、勢いがあるので、表面化、顕在化する方向にあるわけですけれども、賛成という意見もあるわけですから、これを今回取り下げたことによって、直接だれと、面と向かってという話ではないですけれども、そういう方々にはどういう説明をされるのですか。残念でしたねで終わりますか。

 

○教育部長

例えば先ほどから出ておりますけれども、北手宮小学校の場合で申しますと、やはり説明会の中ではなかなかお話しできないのだけれども、賛成の意思表明ということで電話なり、その他直接こちらの方においでになった方がおられるのです。そういう方々に対して、今回の取り下げは大変恐縮しているところなのですけれども、何名かは別ですが、賛成者はいるわけですから、今後まずそういった方々のお声ということをやはり大事にしていかなければならないと思っております。そういった意味からも、今後お話合いをしていきたいと、そういう私どもの考え方です。

 

○教育長

今回の適正配置にかかわりまして、実は総論賛成、総論を話しますと、ほとんどの方が賛成していただいたのですが、各論に入りますと、それぞれの学校の名前が出てきますから、やはり我が方ということ、そういう現状を踏まえまして、これからは総論の段階できちんと皆さんが納得してくれるような総論、そしてどこの学校も該当するという思いで各論に入っていかなければと考えてございますので、そういう面で総論の部分でまずきちんと皆さんにいろいろとお話ししていく必要があろうかと思います。

また、今、横田委員から、賛成の方のということがありましたが、また広報を通じて、こういう結果になりましたとか、そういうことは私どもまたいろいろな手段を使っていきたいと思いますし、また今日これが終わりましたら、全市の小中学校の校長先生を招集してございまして、今日のお話もまた皆さん方にいたしますので、各学校に戻りましてそれぞれ校長の立場から保護者にお話をさせていただく形になろうかと思います。いずれにしても、賛成・反対、両方の意見もございますが、賛成の方には賛成の、反対の方には反対の結果を私どもきちんと説明させていただきたいと考えてございます。

 

○横田委員

そうですね。ぜひお願いします。私は反対の意見が悪いと言っているわけでありませんので、それはその地域の皆さん方の真しな御意見ですから、それはそれでもちろんいいですし、しかし、賛成の意見もうまく集約しないと、全然行き着けないうちに終わってしまうこともあるのでないかということで質問したわけであります。

 

◎審議会等の設置について

それから、先ほどから出ていますが、今後の計画策定に向けて審議会等を設置して、それの答申を受けてやるという方法はいかがなのかということで、何回か我々といいますか、この当委員会で私もそういう話もさせていただきました。ちょっと他市の状況なんか調べますと、これはあまりにも大きすぎますけれども、大阪市なんかですと、委員のメンバーに大学教授、弁護士、各新聞社の論説委員とか、社会福祉協議会、地域女性団体協議会、地域振興会、これは商業関係と思うのですけれども、PTAはもちろん、小中学校校長会はもちろん、幼稚園の会長、小学校教諭などが入っている。あるいは、変わったところでは市民公募を多くしているのです。市民からも委員の公募会を26回ほど開いております。月2回以上のペースです。ですから、そういう審議会でいろいろもまれたものを答申していただいて、それについて行政の方でいろいろと議論する。こういうやり方は非常によろしいのかと思いますし、先ほどからそういった格好にしていきたいという御意見ですので、その辺をもう一度、その審議会のありようについて御意見というか、こうやりたいというのがありましたら、お答えをください。

 

○教育部長

今、道内の他都市、主要都市でもいろいろ進めているところでございますので、そういった状況をたくさんの情報を取り入れまして、そして今、具体的にどのような形で進めているか。例えば帯広市などでは、今年の4月に検討委員会を発足しております。12人の市民各層から成るメンバーで構成されているわけですけれども、その中で、2名の公募委員があると。それぞれ状況がありますので、こういった進ちょく状況も取りそろえまして早急に取組を進めてまいりたいと、こう思っています。

 

○横田委員

 

◎教師の教育力の向上について

いろいろ言いましたけれども、少人数学級、少人数指導を目指していろいろございますが、私が思うに、いろいろな学校の制度がしっかりなったり、あるいは学校の適正配置がしっかりやられても、最終的にちょっと誤解を恐れずに言いますと、学校の教師の指導の力がなければ、どんなことをしても教育力は向上していかないと思うのです。某新聞に今第2弾なのかな、教師力というシリーズでずっとやっております。それを読ませていただくと、非常に適正配置というか、少人数学級の話もずいぶん出ていますが、教師が自分の力を向上させるために、私費でいろいろな研修会を、中央まで行ったりとか、さまざまなことをやっているのが紹介されております。小樽の教師がやっていないと言いませんけれども、地域版にも北海道の教師力について出ていますが、残念ながら小樽の教師のそれは出ていないようであります。しっかりとその辺の教師の力をつけていただくために、これはちょっと関係ないのですけれども、適正配置と並行しながら教育委員会もそちらの方に頑張っていただきたいと思うわけでありますので、その辺で御意見がありましたらお聞かせください。

 

○教育長

小樽の教育を進めていくに当たりまして、ハード面はもちろん最上の状況で子供たちに学習させたいという思いもありますが、今、委員がおっしゃったように教育はやはり人でございます。いくらすばらしい器がありましても、そこにいる人と人のかかわりとか、人と人のやはり教え合い、学び合い、それが私は一番大事でないかと考えてございます。

ここ数年、教育委員会では、皆さんに何度も説明してございますように、小樽の学校教育推進のためにということで、目標レベルでなくて、具体的にどういうことをすることが子供たちの心を、学力を、体づくりをということで、かなり具体的な面までおろしてお願いしているところでございまして、まず去年、今年は校長、教頭レベルでまず勉強してほしいということで指導室を中心に数回研修を持っているところでございまして、今度はそれらを踏まえまして、さらには校長の力、また私どもで研修の機会をつくりながら管理職、一般教諭ともに教育力を高めてまいりたいと思いますし、それと同様にそれぞれの家庭におきましても、子供たちにそういう学校に元気で通わせるような、そういう家庭教育を進めていただければと考えているところでございます。

 

○横田委員

ちょっと適正配置とは離れましたが、また総務常任委員会等の方でそんな話もしていきたいと思います。

 

◎新市立病院の新たな用地について

最後に、新谷委員の方からも出ましたが、ちょっと適正配置と密接不可分ですので、明日、市立病院調査特別委員会がありますので、詳しくお話になると思いますが、その病院との関連で、先ほど現在地は難しいだろうと言いましたね、量徳小学校が残ると。ですからそういう話でしたが、そうなると、もう一つの候補地ということで認識していく、築港というか、それでよろしいのでしょうか。

 

○市長

残念ながら量徳小学校の跡地というのは難しくなりました。大変たくさんの皆さんが期待していたのですけれども、こういう結果ですから、大変申しわけなく思っていますけれども、第2の候補地であります築港地区にぜひ建設をしたいと思うので、これから検討に入りたいというふうに思っています。