平成19年第1会定例会総務常任委員会〜平成19年3月8日

 

◎道徳の授業について


○横田委員

教育委員会に、道徳教育、道徳の授業についてお尋ねします。

まず、各学校の教育課程の年間指導計画といいますか、それにおける道徳の時間について教えてください。

 

○(教育)指導室寺澤主幹

道徳の時間の授業時数ですけれども、小学1年生は年間34時間、それ以外は年間35時間実施することになっております。

 

○横田委員

中学校も35時間ですか。

 

○(教育)指導室寺澤主幹

中学校においても35時間でございます。

 

○横田委員

この年間35時間の道徳の授業がどのように学校現場で行われているのか、当然報告を受けておりますので、教育委員会の認識を教えてください。

 

○(教育)指導室寺澤主幹

道徳の時間の授業時数につきましては、年度当初計画時数の報告を受け、それから年度末につきましては、実施時数の報告を受けております。それでは標準時数を確保しております。

 

○横田委員

内容はどういうふうに把握されているのか。

 

○(教育)指導室寺澤主幹

道徳の時間の授業内容についてですが、校長からは参観日とかに道徳の時間が行われている様子についても伺っております。それから、私たちも学校経営訪問等としまして、道徳の副読本の活用状況なども聞いてやっております。それから、道徳の時間については、子供たちがどんなことが道徳価値があることなのか、またどのような行動をとったらよいのかなど、子供がみずから振り返って考える時間ですので、週1時間あるわけなのですが、これが月曜日に設定されますと、日曜日の次の月曜日が振替休日みたいに休みになることが多いものですから、つぶれてしまうということもありますので、月曜日以外の曜日に道徳の時間を設定するようにとか、授業時数の確保はもとより、指導内容の充実に努めるように各学校に指導しているところでございます。

 

○横田委員

当然、学習指導要領にも道徳の項目があるのですけれども、それはある程度きちんと教えられているということで、教育委員会は認識されているということでよろしいですか。

 

○(教育)学校教育課長

よろしいです。

 

○(教育)指導室寺澤主幹

授業の内容につきましては、校長等の報告を聞いている限りでは、先ほど申しましたように、授業内容については計画どおり行われているという認識でおりますけれども、よりよい道徳の教育を実施していくためには、さらに校長がどのような内容を道徳の時間で実施されているのか、また教員に適切な指導をされているのか、今後見直していく必要があると考えております。

 

○横田委員

私は平成14年の総務常任委員会で今言っているようなことを質問しました。4年たっていますが、実は7人の保護者の方に、子供たちが道徳の時間にどういうことを勉強されたのかということをお聞きしました。時間がないので簡単に列挙しますが、ゲームやレクリエーションで遊んだ、これは2年生、3年生です。席替えをした、3年生。図工の続きや国語、算数のできなかったところの補習、これは2年生、3年生。それから、いじめの話が教員からあった。これは4年生、これは道徳の関連になると思います。それから、小学6年生ですが、家庭科をやった。道徳の時間に家庭科をやったというのではなくて、これは2時限目が道徳ということだったのですが、前日に明日の授業は1時間目なり2時間目は家庭科、3時間目はうんぬんということを、前日から道徳の授業ということでは全くなかった。そして、家庭科をやった。それから、中学校ではいつも文化祭や、あるいは選挙などの打合せをやる。時々席替えもやる。直近の前回は、将来あなたは何になりたいですかというアンケートがあって、職業について知っている限り記入して終わったという内容です。

今聞いた7人、小学4年生はいじめの話ということでしたけれども、これ以外はとても道徳の授業とは思えないのですが、認識はいかがですか。

 

○(教育)指導室寺澤主幹

時間割りの変更につきましては、学習進度によって、先ほど家庭科の時間に変わったと言っておりますから、日常よく変更される場合はあると認識しておりますけれども、道徳の時間と道徳教育ということで、全教育活動を通して道徳教育が行われているわけでありまして、それを補充、進化、統合する時間として道徳の時間ということで行われていると認識しておりますが、今、委員の御指摘のとおり、まだ十分道徳の時間の認識という指導方法が十分でない面も御指摘がありましたので、今後、校長と相談しながら改善を図っていきたいと考えております。

 

○横田委員

指導室の考え方ですが、ふだんやっているから、道徳の時間に特別やらなくてもいいのだみたいなお話に今聞こえましたけれども、学習指導要領でも、生徒がみずから道徳性を持つためのものであり、道徳の時間はもとよりうんぬんと、道徳についてはこうなっているので、もとよりというのは、当然前提は道徳の時間なのです、文面どおり正しく解釈するとです。それをしないで、ふだんやっているからいいというお話ですと、それは違うのではないかと思うのですが、どうですか。

 

○(教育)指導室長

まずもって、教育においては、一番重要なことは人格の完成でございます。そういう意味で言いますと、小樽市の今年度策定しましたあおばとプランにおきましても、「心豊かに学び」と、まず冒頭に心を持ってきています。

そういう意味では、心の部分について道徳教育が重要であるという認識については、教育委員会は当然持っております。ただ、委員から御指摘のあった「道徳の時間」という言葉の認識でございます。これはもちろん「道徳の時間」というのをわざわざ小学校と中学校で設けているのです。実は高等学校にはございません。なぜ高等学校にはないかといいますと、その発達段階が異なりますので、そういう中ではやはり小学校、中学校で振り返る時間、1週間に1時間は、このことについて振り返ることができるようにしましょうということで設けてございますので、そういう意味で委員の御指摘のとおり、補充、補い、深めたり、ふだんの活動をまとめ上げていって、道徳的な力を身につけていくというところでは重要な時間だと認識しています。その中で実際にどう授業をするのかというところで言いますと、当然そこの課題はあると思っていますので、そういう意味では今年度、特に教員を指導する校長や教頭にかかわりましては、そのリーダーとなる者を文部科学省の研修会に派遣して、中央での考え方も学んできまして、それにつきまして、校長、教頭に対して、広めるなどの研修も取り組んでございますので、今後とも実態の把握も含めて、十分議会での論議を踏まえて充実させてまいりたいというふうに考えてございます。

 

○横田委員

道徳の重要性は、今、指導室長がおっしゃったようにもちろん我々も認識しています。それは十分わかっているのですけれども、4年前でも趣旨は同じ答弁、違いますか。しっかりと校長を指導してうんぬんというお話ですが、その後にも私も言っていますし、ほかの方も言っていますけれども、たびたび道徳の話は出るわけです。どのように学校現場で道徳の時間がきちんとなされているかどうかという確認はされているのですか。

 

○(教育)指導室長

例えば、学級だよりの中でも、週によって今は時間割りが変わってございます。そういう意味では当然この道徳の時間について示していくということについては、校長も目を通されますから、その部分での時間割りの管理というところについても、以前に増して明示が進んでいるものというふうにとらえてございますし、またこのいじめにかかわります対応も含めてですが、やはり学級での道徳の時間がどうなっているのかということは、保護者の皆さんも十分関心をお持ちです。そういう意味では保護者会、参観日の中で道徳の時間の授業が行われ、公開し、その後の懇談でもお話が行われるようになってきているという取組もあります。ただ、これが全市的にさらに深めていくということが私たちの課題だと思っておりますので、そういう意味でさらに進めてまいりたいというふうに思っております。

 

○横田委員

実際は道徳の中身をしないのに、道徳の授業をしたという報告がもし仮にされているところがあるとすれば、これはPTAのときと全く同じ構図になってしまうのではないですか。今、私が聞いた7人の子供も、1人以外は全部道徳というものをやったことがないと言っているのです。たまたまやったことがない7人だけ、私が質問したのですか。そんなことはないと思います。確率からすると、たぶんほとんどではないのかという気がしますけれども、そういった実態把握とか、それからどうしたら、今言ったように公開授業うんぬんとありましたけれども、公開授業をやるときはもちろんやります。けれども、ふだんの道徳の授業をどういうふうに現場の教員がなされているのかという、それをやはりきちんと把握して、もしされていないのであればされるようにする手だてをつくらないと、いつまでたっても、4年たっても変わっていないのです。この辺をこうしたいということは何かないですか。

 

○(教育)指導室長

特に今回のあおばとプランの中でも、道徳性の育成ということで課題を挙げました。そして、実は課題として道徳教育の充実、とりわけ道徳の時間の指導内容の充実ということは、これは私どもも認識してございますから、ですから研修会の取組、それから指導内容についての身近な小樽の題材を取り上げて、そのことについてどう指導したらいいかという指導計画等も開発をしていこうということで取り組んでまいりたいと思いますし、特に実施状況については、校長は教員の授業の様子については、見ていただくということがまず基本だと考えてございますので、それを確実にやっていただきたい。また、私どもも直接道徳の授業については、今後学校で指導主事の授業参観というのも進んできていますので、当然それも視野に入れながら進めていかなければならないということで、それについて努力してまいりたいというふうに考えております。

 

○横田委員

いろいろな研修をされるのはもちろん結構ですし、してもらわなければならないのですけれども、現実に学校現場で研修したことを子供たちに教えないと、全く研修の意味が一つもないわけです。繰り返しになりますけれども、管理者が本当に授業をきちんとしっかりやっているのかということを、ただ報告を受けるだけではわからないと思うのです。しかも書面だと思いますけれども、そういったことをしっかり調べていただいて、もしなっていないのであれば、いつまでにはしっかりと道徳の教育を、道徳に限らないですけれども、教育課程がしっかり実践されているのかということを、確認する必要があるのではないかという気がしますがどうですか。今後、こうやっていきたいということはないですか。

 

○(教育)指導室長

繰り返しになりますが、今は例えば時数の管理や、そういう形でのいわゆる枠からのとらえ方をしてございました。それが今回例えば4月24日に実施します全国学力・学習状況調査につきましても、内容的にどの程度の理解が進んでいるのかということで、内容面に入ってきてございますから、先ほども答弁させていただきましたとおり、校長による例えば授業参観の実施状況の把握、内容、それから私どもによる実際に各学校での道徳の授業への参観等々、そういうものを組み合わせながら、より内容にかかわっていくような形を通して、各学校での道徳の時間を含めた道徳教育の充実に寄与していくように進めていくというふうに考えてございます。

 

○教育長

今後の進め方については指導室長の方から今、お話がありましたので、横田委員からのお話も踏まえて進めていきたいと思います。

ここで、今、私が手を挙げましたのは、子供や保護者、さらには教員の一部で道徳の時間というのは教えるものだという認識がありまして、保護者会で親が授業参観しても、最後に教員がこれなのだと、国語、算数のように結論を出した授業でないと、結論を示さない授業だと道徳の授業でないという認識があるのです。道徳の授業の最後はいろいろな意見を出してもらって、皆さんはどれを選択していきますか、どういう生き方をしていきますかということで終わる授業、又は教員が小さいころ自分の書いた作文を読んで終わりとか、余韻を残して終わる授業が道徳の授業としてベストの授業でございます。

ですから、子供たちも、確かに道徳の授業は教員からかつての修身のようにこうしなさい、ああしなさいと言われない限り道徳の授業でないというふうな認識もまだ残っていますので、そういう面を踏まえまして、指導室長が話しましたように、道徳の授業のあり方とか、今後さらに保護者にも説明していかなければだめなものでございますし、あと教員にも理解していただきながら、最終的には豊かな心につながるような、そういう道徳の時間の授業展開をしていきたいと思いますので、今後とも情報がございましたら私どもにお知らせいただきたいと思います。

 

○横田委員

私はもちろん教育のプロではありません。皆さん方がプロですから、中身をどう教えるかというのは、それはいろいろな技術があると思います。それをもちろん任せているわけですから、ただその時間をとらないで違う時間に使っているという、それがおかしいのではないのか。しかも、ずっと長い間です。大体一向に改善されないということを指摘しているのであって、中身にまで私たちは当然手を出したりしませんけれども、ぜひやってほしい。今どういう対策をとるのかと、いきなり言っても、また皆さん方も困るだろうから、終わってしばらくしてからで構いませんから、授業時数をしっかり確認する手だて、そしてそれを改善していく。現実にやってもらうと言ったら変かな。道徳の授業が間違いなく行われるような手だてを後で示していただきたいと思います。

 

○(教育)指導室長

特に議会における論議が、この小樽の学校教育の改善に大きく寄与しているというのが現実でございます。そういう中で、保護者の願いの中に、小樽市PTA連合会との懇談においても同様に道徳の時間における充実をという声を聞いてございます。そういう意味で、今、御指摘をいただいた点を踏まえて、校長会等とも話を進めながら、具体策について示していけるようにしてまいりたいというふうに考えております。

 

○横田委員

ぜひよろしくお願いします。これは例えば教職員組合の方針とかではないことだと思いますので、個々の教員の思いなのかもしれませんけれども、やるべきことはやはりやっていただかなければならないと思いますし、仮にも、虚偽の報告がなされるようなことがあってはならないと思いますので、その辺を正していただきたいと思いますけれども、そういうことも踏まえながら、教育課程の編成、実施、研修というのか、その辺をしっかりやっていただきたいと思います。