平成19年第四回定例会総務常任委員会〜平成19年12月19日

 

○横田委員

私の方から、消防の関係と教育委員会の二つについて質問します。

◎北海道消防広域化推進計画の素案について

今日、「北海道消防広域化推進計画」の素案が示されました。本会議でも質問したのですけれども、見させていただきますと、本道を21の圏域に分けて、21の組合を広域化にするということですが、後志を見ますと小樽市、羊蹄山ろく消防組合、岩内・寿都地方消防組合、北後志消防組合の四つの組合をたぶん一つにするのかということですが、面積が極めて広大なのですけれども、小樽市としてこの広域をした場合のメリットが果たしてあるのかについて、代表質問でも伺いましたけれども、改めて伺います。

○(消防)青山主幹

素案の中では今一応21の圏域に分けるというもので、小樽市は後志圏ということになっております。仮に後志圏の中で広域化を図った場合というところでございますけれども、確かに相当な面積ということになってまいりますので、小樽市としてそれだけのメリットがあるのかということにつきましては、慎重に協議・検討をしていかなければならない、そのように考えてございます。

○横田委員

素案では、広域化による効果はずいぶん書いてあるのです。例えば本部機能の一元化に伴う業務の効率化の部分、あるいは人事管理面でも人事交流に関して、現実に小樽市から寿都町までを広域化して消防の指令や人事交流が果たしてできるのですか、いろいろな課題があると思うのです。そういった課題については素案ではあまり触れていない。ところが、私が代表質問で質問したときには、消防本部の答弁は、課題としましてはということでたくさん挙げていただいておりますが、管轄面積が広大になることから本部機能が低下する。これでしたら素案とは逆の見方といいますか。それから、施設、車両等の整備あるいは人事交流面などでもいろいろな問題が出るだろうということがありまして、今、答弁がありましたけれども、広域化はほかの3組合はいろいろな面でいいのかもしれません。ただ、小樽市がその3組合と一緒になって後志圏ということが果たして本当にいいのかどうかは、慎重に検討していただきたいと思います。

今、組合は自賄い方式をやっているのですが、これを解消するということで、自賄い方式について説明していただけますか。

 

○(消防)青山主幹

今は大部分の北海道の消防組合が自賄い方式を採用しております。この自賄い方式でございますけれども、本来、消防組合が構成市町村で経費をそれぞれ出し合って、そこで組合全体としての財政運営をするというのが本来の消防組合のあり方でございますけれども、現在は、本部組織の一部分以外は、すべてそれぞれの市町村で賄っている。ですから、消防車両は資機材を整備するにしても、それぞれの市町村で整備をしている。もちろん人件費もそうです。ですから、同じ消防組合でありましても給料は違うというような体制がとられている。これが今の消防組合の最大の課題というふうにされておりますので、本来の組合消防のスケールメリットを生かすためには、この自賄い方式を解消しなければならないということで考えております。

 

○横田委員

自治体は消防署がない地域には増署ができますか

 

○(消防)青山主幹

現在、それぞれの消防本部の中には必ず署所があると思いますので、これが広域化を図った場合に、基本的にはそのままの状態になるのだろうとは思うのですけれども、全体として消防力の整備指針というものがございますので、それに見合った署所の配置ということがこれから考えられていくだろうというふうに思います。

 

○横田委員

自分のところでやっているのなら、あまり意味がないような気がするのです。素案の中にも自賄い方式を解消したいというふうになっていますけれども、その辺もあわせてしっかりと検討願います。広域化によって各自治体の消防力が低下してしまっては本末転倒というか、あってはならないことでありますので、広域化することによって各地の消防力が低下するということはないのですか。

 

○(消防)青山主幹

まず広域化の基本的な考え方として、消防力の充実強化ということが挙げられています。消防力が今よりも落ちるような広域化はしてはならないということで進めておりますので、そのようなことにはならないと考えています。

 

○横田委員

なかなか難しい算段になるのかと思います。これを見ますと平成19年度中に道が計画をして、5年以内に実施しなさいということですけれども、これに基づいて市町村は計画を策定するわけです。本市としては、その広域化にかかわって、どういう方向の計画にするのか。まだ検討されていないのかもしれませんけれども、何か議論がありましたら聞かせてください。

 

○(消防)青山主幹

来年度からのいわゆる組み分けの中での計画ということになると思うのですけれども、小樽市としては今のところ後志圏ということでございます。後志圏での広域化を行う場合の、いわゆる小樽市として消防力の充実、財政面の効果といったものはあるのかというようなことも検討していかなければならないというふうに考えておりますし、それぞれの市町村消防本部の利害関係といいますか、いろいろな意見があると思いますので、その辺の調整を図りながら検討して、慎重に詰めていきたいと思っております。

 

○横田委員

5年以内ということですので、なかなか厳しいのではないかと思います。

◎消防無線のデジタル化について

関連しまして、消防無線のデジタル化というような問題が出てくると思うのです。これについてどんな状況になっているのか。改めて消防無線のデジタル化の方向性というものについて教えてください。

 

○(消防)警防課長

無線のデジタル化の関係についての概要、あるいは今の進みぐあいについて説明させていただきますと、このデジタル化につきましては、いわゆる携帯電話や無線LANのサービスなどが増えてきた状況の中で、電波需要が非常に増えてきたというようなことを受けて、総務省の総合通信基盤局で平成15年10月に電波法関係審査基準の一部を改正いたしました。それによりまして、現在使われてございますアナログ無線関係も含めてですが、28年5月末をもって使用ができなくなり、それまでの間にデジタル化に移行しなければならないというような状況となってございます。

 

○横田委員

無線に詳しい方もおられますけれども、通信方式はアナログ、デジタルによって違うのですね。デジタルの秘匿性というのは非常に高くて、警察無線も20年も前にデジタル化している。ただ、ばく大な費用がかかるのと、周波数が消防の場合は260メガヘルツ帯というところになるらしいのですけれども、今の百五、六十メガヘルツ帯から比べますと電波の状況なども悪くなるといいますか、届きにくくなるというふうに理解をしています。

平成28年5月末にアナログ無線がなくなるというのはしようがないのでしょうけれども、ばく大な費用をかけてやるまでの秘匿性が消防無線に必要なのかという、警察の場合は極めて秘匿性が高くなければ、捜査状況やだれがどこへ逃げているというようなこともありますので極めて難しいですけれども、よく昔、警察無線を聞いて、追いかけて歩いていたみたいですけれども、消防無線はそこまでの秘匿性が必要なのかという部分についてはいかがなのですか。

 

○(消防)警防課長

先ほど委員の方から御質問のありました部分について私は答弁を落としてございましたので、改めて説明をさせていただきます。

先ほどの質問の中に、取組の部分につきましても話があったかと思いますので、それについて簡単に説明をさせていただきますと、現在、道におきましては先ほど消防本部主幹の方からも説明がありましたとおり、策定委員会等で検討、協議をしてございます。この北海道の策定につきましては平成20年3月末までに案を策定することとなってございます。また、全国消防長会の北海道支部といたしましても、道央地区22消防本部で連絡協議会、その下には作業部会、当消防本部内におきましても検討委員会等を設けて、協議、検討をしているところでございますが、現在決まってございますのは、道内を7ブロックに分け、小樽市は石狩、空知、後志の道央地区の中で共同で整備するということまでは決まってございます。それ以外の部分につきましては、まだ詳細に決まっていないところでございます。

次に、先ほど御質問のありましたいわゆるデジタル化と消防無線の秘匿性の部分についてでございますけれども、現在でも消防隊1隊あるいは救急隊1隊が出動する場合、個人情報の保護の部分も含めて、できるだけ携帯電話などを活用しながら対応しているところでございます。しかしながら、1事案に対しまして複数の救急隊や複数の消防隊が同時に出動するというような場合につきましては、基本的には情報を同時に共有しなければならないというようなこともございまして、私どもとしては一斉に指令をしたり情報を伝えることが必要となってくるものでございます。したがいまして、この秘匿性につきましては、デジタル化では可能となるということでございますので、私どもはデジタル化については、そういう部分ではいけるだろうと思ってございます。

また、秘匿性だけではなくて、デジタル化では、車両の位置情報や水利の情報なんかを、いわゆる現場活動の中でデータの電送なんかもかなり可能となるようですので、その辺も含めるとデジタル化の消防活動でのメリットも十分あるというふうに考えているところでございます。

 

○横田委員

わかりました。巷間言われているのは、周波数帯が変わって通信距離が短くなるので中継局が必要になる、あるいは消費電力が大きくなりバッテリーのもちが悪くなる。災害のためのツールですから、バッテリーが切れていたら、しようがないということです。結局、指令室と基地局をNTT回線で結ぶらしいのです。ですから、NTT回線がダウンしてしまうと、あまり意味がないなんていうこともあるらしいです。

アナログ無線は、つくりはシンプルですから故障にも強いということです。デジタル化に関していろいろ課題もあるようですので、先ほども申し上げましたが膨大な費用がかかりますので、小樽市1市だけではなかなか難しいのかもしれませんけれども、いろいろ意見は上げていただきたいと思います。