平成12年第1回定例会予算特別委員会〜平成12年3月14日

 

○横田委員

◎引き船業務について

昨年4定で引き船(タグボート)について質問した。引き船業務自体は港湾にとって重要なものであると認識するが、答弁では自治体が直営で実施しているのは全道12港のうち小樽1港だけであり、民間への委託も視野に入れ検討したいとのことだった。今回の港湾事業特別会計予算には引き船整備費として2,500万円が計上されているが、中身は何か。

 

(港)埠頭事務所長

たていわ丸、さくら丸の2隻分の合計であり、たていわ丸は今年、中間検査の年に当たっており、1,420万円の費用がかかる。内訳は、検査項目に従い救命いかだ、航海灯の点検、錨の点検、その他上架するので、足場架け、船体塗装などである。さくら丸の整備は、昨年秋に金物の粉が出たということで、主機関の整備を行いたく、あわせて過給器、発電原動機の整備、その他部品などに1,030万円かかる。

 

○横田委員

たていわ丸の船検ということだが、聞くところによると3年に1回中間検査、6年に1回本検査ということである。さくら丸の次の検査はいつか。

 

(港)埠頭事務所長

平成13年に中間検査、平成16年に定期検査である。

 

○横田委員

また来年もさくら丸でかかるということである。これから先もずっとかかると思うが、他の11港の状況はどうか。

 

(港)埠頭事務所長

小樽港を除く11港のうち、民間経営は苫小牧を含めて6港である。残る5港は民間委託であるが、条件として市がタグボートを所有し、それを貸し付け、検査等の費用は市が負担し、運営を民間が行うというものである。

 

○横田委員

民間丸抱えで採算はとれるのか。また、本市で行うとした場合、受け手はあるのか。

 

○港湾部次長

過去3年で見ると費用の支出が2隻で1億円以上かかっており、内訳は、乗組員の人件費、検査手数料、燃料代、起債で購入したことによる公債費などである。一方、収入はここ3年は4,000万円程度であり、毎年約6,000万円が市の持ち出しとなっている。こういった経営内容となっているため全面委託、運行業務委託のいずれにしても採算面からは厳しい状況である。

 

○横田委員

民間に委託する場合にクリアしなければならない課題は何か。

 

○港湾部次長

採算面が厳しく、特に問題となるのは船齢が両船とも20年を超え耐用年数を経過しているということであり、早晩、船舶の更新という判断が求められてくると思う。また、船の運行には、航海士、機関士などの有資格職員の問題も大きい。今後、民間委託を行っている他港の経営内容について照会し、比較検討の中で、仮に民間に移行した場合どうかということを部内で整理し、全庁的に合意形成を図り、小樽の方針を固めていきたい。行革にも位置付けされていることから、可能性についての検討を進めていきたい。

 

○横田委員

6,000万円以上の持ち出しということであれば民営化は難しく、船が無くなったときに有資格の職員をどうするかという人の問題もある。しかし、それでもやらなければならないのではないか。民間に委託した場合に現在3,900万円の使用料が、船がもっと入って使われれば増える、それにより持ち出しが少なくなっていく。そのためにはポートセールスを行い、船を誘致していくことがさらに必要となってくる。また、現場の職員も不安を持っていると思われるので、早期に方針を打ち出すべきではないか。

 

○港湾部次長

民間へ移行した場合の環境整備については御指摘のとおりである。特に民間にした場合の民間活力の部分では、タグ事業以外の副業というか会社トータルでみられるものと期待する。その前に大事なことは、支出が1億円であるから収入が1億円を超えるほどの船が入り、タグのオーダーが増えて収入増を図るということである。そのためのポートセールスというのが第一義的な部分として管理者の努力が必要な部分と思っている。職員については、仮にそういう状況となれば、職場の中での合意形成なり、考え方が大切であるので部内でも協議、話し合いが大切であり、これについても庁内的な合意形成という形で一つの方向へ検討を進めていきたい。

 

○横田委員

2隻を1隻にすることはできないのか。

 

○港湾部次長

毎年の実績では、1隻が140日、200回くらいのオーダーがあり、2隻で280日400回、それで4,000万円の収入となっているので1隻では難しいものと考える。

400回、それで4,000万円の収入となっているので1隻では難しいものと考える。