平成13年第1回定例会予算特別委員会〜平成13年3月12日

 

○横田委員


◎まち育て情報センターについて

たまたま代表質問で見楚谷議員がまち育て情報センターのことについて聞いております。それ以前にも、報道機関などでも報道されまして、この構想自体は私も非常にいいのかなと思うのですが、いまいち概要というのがちょっと見えてこない。

確認の意味も含めまして、まず一つは、何をやるのか。これは、産学官が協働して地域発展のため云々ではなくて、こういうことをやりたいのだと。

それから、二つ目は、事業主体はどこがなって、どのぐらいの事業費でやるのだろうか。1,000万円の補助金が市から出るようですが、全体の事業としてはどのぐらいの金額でやられるのか。

あとは、その管理運営といいましょうか、聞くところによると、これから文書を出して云々というお話ですが、どこが管理して、どういう事業を進めていって、どういう効果があるのかという部分で簡潔にお答え願いたいと思います。

 

○商工課長

まち育て情報センターに関してのお尋ねです。

具体的にわかりやすくということなので、実は、この情報センターそのものは、今のNTT小樽支店の1階の国道からすぐ入れる場所に400平米の空き事務所ができるということで、お願いをして、今、その分の140平米ほどお借りをして、私どもとして、まさに産学官の中の今の地場産業振興会議でのワーキンググループの中でそういうものをつくっていこうという皆さんの声がありまして、具体的な中身の検討に入っております。おおむね見えてきておりまして、13年度に立ち上げていこうということで今進んでおりますけれども、あの中では、当然、産業経済にかかわる情報化というのが大前提ですけれども、今やろうとしておりますのは、一つは、広報ブースを三つほど設けまして、その中でIT関連の新しい起業家といいますか、新規起業家の皆さんを募集をして、あの中に入っていただいて、そういう意味では小樽に新しい風を吹き込んでいただく。そして、それらのノウハウを生かして、いろいろな形でのコーディネートにも参加をしていただく。ですから、単に場所を貸していくということではなくて、小樽のいろいろな今後の事業や、あるいは商店街等の中でのアドバイス役も買っていただく。そんなことを考えながら、一つは広報ブースにIT関連の起業家の皆さんの募集をしていきたいというのが一つであります。

それからもう一つは、学生起業家本部の運営と言っているのですが、これは、実は小樽商大のCBCのお力をかりながら、このワーキングの中にも入ってずっと一緒にやっていただきました。そして、学生の皆さんにも入ってもらいました。彼らがビジネスアイデアコンテストというのをずっと商大の中でやっていまして、いろいろなビジネスに対するアイデアをたくさん持っております。これらを生かす場面をこのセンターの中でできないだろうかと。今まで、アイデアはありましたけれども、彼らの資金力や人脈の中ではなかなか実現ができなかったアイデアを、この中で何とか商店街とリンクさせて使っていく、実はこんなことも考えてございます。

あとは、当然、IT関連のいろいろな研修会等も、私どもの中で、この中で企画をしながら進めていく、そんなことを主な事業として今考えております。

事業主体でございますけれども、実は、まだ最終的なワーキングの結論は今度の22日ということになっております。今、私どもが考えておりますのは、当面、小樽商工会議所に、これは初めから商工会議所も小樽商大もメンバーでございましたが、小樽商工会議所に事業主体をお願いして、さらには、民間の方々を中心に、これももともと民間主導という形でのお話が進んでございましたので、できれば事業協同組合を立ち上げていただいて、この中ではNPOでどうだというご意見も今あるのですけれども、事業協同組合を立ち上げていただいて、この辺が事業主体あるいは管理運営という形にしていただくということで今考えてございます。

それから、事業規模のお話がございましたけれども、実は、市は今13年度予算で1,000万円の補助を組んでおりますが、これだけではあそこの造作、あるいは機械の導入を含めて金銭的には間に合わないということで、今、通産省とお話をしながらいろいろな補助の導入を考えてございます。その中では、中小企業総合事業団のメニューの中で、できれば1,000万円ぐらいのお金をいただいて、合わせてトータル2,000万円ぐらいで、当面、13年度のまち育てセンターの事業を進めていければなと、そんなように考えてございます。

 

○横田委員

みずから事業はされないのですか、収益事業というのは。

 

○商工課長

失礼いたしました。事業協同組合は、当然、そういった形の中でやっておりますので、みずからの収益事業というのも考えてございます。

ただ、それは、これから立ち上げます事業協同組合の皆さんが主体的にやることなので、私どもとしては、今、直接これをやれ、あれをやれということは言えないのですが、今、お話し合いをしている中では、この事業協同組合の中でやる事業としては、例えば、データベース化の入力の作業を請け負う、あるいは、ホームページ等の構築の受託事業、あるいは、各種団体等の事務局を引き受けると。これは、市内にいろいろな団体がありますけれども、なかなか事務局機能がなくて、事務局をやっている方が高齢になってなかなか進まないということがありまして、こういう要望もあるようなので、この事務局機能を引き受ける事業、あるいは、ちょっと違う次元になりますが、プレイガイドの窓口ができないだろうかとか、こんな議論をしながら、何とか収益事業の部分でもある程度の人件費は出していけないのかなと、こんな議論もしてございます。

 

○横田委員

事業主体が商工会議所というお話ですが、聞くところによると、1年ほどで手を引くと言うのは変ですが、そこからはいなくなるといいますか、何と言ったらいいのでしょうか、そういうお話をちょっと聞いておりました。

また、協同組合をつくるということですが、どうも最近、協業組合とどう違うのか私はよくわかりませんが、過去に、まさに今回問題になっておりますフィッシュミールにしろ、太陽米菓にしろ、協業組合でなかなかうまくいっているものがないと思います。それとはまた違う手法なのでしょうけれども、何社ぐらい、当然、組合ですから、出資金を出すような格好になるわけでしょうけれども、そういったものはどの程度で何社ぐらいを予定されておるのでしょうか。

 

○商工課長

前段にございました商工会議所の関係ですけれども、実は、今こういうことでお願いをしているということでありまして、商工会議所から最終的にやるという返事はまだいただいてございません。今月の商工会議所の最終的な中でご決定をいただくということになってございます。その辺はご理解をいただきたいと思います。

それで、2年目以降につきましては、実は、この事業を進めるに当たって、事業協同組合、あるいはNPO、あるいは企業組合、いろいろな受け皿を考えましたけれども、それらができるまでの間、実は商工会議所に事業主体としての受け皿をお願いしたいということでお願いしております。ですから、当面、今私が言いました形で商工会議所に13年度にお願いをしたいというふうに考えておりますけれども、それ以降につきましては、新たにできる組合なり、あるいは企業組合なり、NPOなり、できるものがそれを引き継いでいくということを実は考えてございます。

それから、事業協同組合につきましてもいろいろ議論のあるところでございますが、実は、これは、市が決めたというよりも、ワーキングの中での議論として、今、そういう話になっております。ある意味では、具体にいろいろな方に声をおかけしてご協力をお願いしている動きもあるようです。金額的なことも、最終的には決めておりませんけれども、20社なり25社の皆さんにお願いを、今は25社程度と言っているのですが、その皆さんにお願いしてご協力をいただけないかと。ただ、先ほど議員からもありましたとおり、この事業自体が大きな収益を生む事業というよりも、どちらかというと小樽市全体の情報化に役立てる事業ということですから、その辺の部分も踏まえて参加いただく方にはご説明をしていかなければならないだろう、そんなふうに考えております。

 

○横田委員

私は、反対ではなくて、大いにやってほしいのですが、市の補助金あるいは通産省の補助金が大きな資金源となっている、あるいは、事業の内容を今聞きましたが、細かいのも見ておりますけれども、年間で140万円ぐらいの事業収入の計画を立てておられるのです。140万円ですと人一人も雇えないような状況ですが、資金面で脆弱ですと何か長続きしなくなってしまうのではないかという気もいたします。

また、産学官ということですが、産の方の各商店街の連携だとか、今、ワーキングの中にも商店街のことは書いていないように見受けられますが、地場産業を振興させるための活性化ということでございますので、その辺がちょっと心配でご質問させていただいているわけです。

私の描いていたまち育てセンターというのは、情報センターということですから、岩見沢だとか、あるいは隣の砂川ですか、それから、道外では藤沢、あの辺を視察させてもらいましたが、あの辺は、ITといいましょうか、こういったコンピューター関係の情報センターというものを自治体と商工会議所、あるいは民間が若干入って大きなものをつくって、そこに全部集中させているのです。もちろん、その方が効率がよいわけですし、そういったことを考えますと、今、教育委員会の方で中学校に400台程度のパソコンを集中管理する場所を稲穂小学校にすると言ったでしょうか、そういうお話です。藤沢の例で申しわけないですが、学校の教育機関のコンピューターも全部1カ所に集中させています。

この産業会館は、多分、光が入っているでしょうから、場所としては最適だと思います。新たにまた稲穂小学校に光を敷くのに1,000万円ぐらいかかると言ったかな、そんなふうにインフラの環境は整っているわけですから、そこに、どうせやるのならという意味で言わせてもらえれば、もうちょっといいものをやった方がいいのかなと。3ブースを無料で貸すような格好になるのでしょうけれども、それよりは、小樽市全体の情報を集中させるような部分も考えられてはいかがかなと思ったわけです。これは学校との連携もありますので、ここではご答弁は要りません。

もう一つ、先ほど補助の話もありましたが、ちょっと例を挙げさせていただきますけれども、福岡の久留米市は、当市より人口が多くて20万人ちょっとぐらいですが、空き店舗を利用して、今言ったまち育て情報センターのようなものをつくったようです。ここでは、シニアを、高齢者といいますか、お年寄りの方、平均年齢五十二、三歳の方たちを対象にパソコン教室をやって、非常に盛況だと。ほかの事業もやっておられるようですけれども、その補助で、メーカーを巻き込んで、マイクロソフトだとか、通産省のシニアの関係の育成事業、これで1,500万円をぼんともらっているのです。もちろん小樽がすぐというわけではないでしょうけれども、パソコンは、今まさにIT講習会もございますし、教えられるようなインフラづくりをやるとどんどん人が来るのではないかと。

今の構想でいくと、図面なんかも見ますとインターネットカフェなどをつくっているようですけれども、ここに人がわんわん来るというような状況はちょっと私は想定できないのです。ですから、もっと人を呼び込む、まちの活性化を図るためにはそういったこともお考えになられたらいかがかと思いますが、よろしくお願いします。

 

○商工課長

今のお話のとおりだと思うのですが、最初に、商店街の関係につきましては、実は、場所も含めて、地元商店街との関係というのは非常に大切な要素だと考えています。今、ワーキングの中には、三つの中心商店街の代表の方3名は入っております。

ただ、ご指摘のように、さらに人数のことも含めて、もう少し密度を濃く、商店街との連携をしながら、例えば、商店街のホームページの問題や、空き店舗の問題や、あるいは商店街全般にどんなものを売っているかだとか、そんな情報がネットワークでできるような仕組みも今議論の中で出ておりますので、十分その辺もやってまいりたいというふうに思います。

それから、今、ご提言にありました福岡の久留米なんかの例も、私も若干お聞きしております。今、この中でも、シルバー、プラチナの皆さんのIT講習というのは、若い人が教えてもなかなか大変なので、それなりの技術をお持ちのシルバーの方がシルバーの方に教えるというような仕組みがいいのではないか、そんな議論もされておりまして、そういうことも枠組みとして今は考えております。さらには、それらについて回る補助金等、そういうものもいろいろな形で出るのも承知しておりますので、我々も注意深く見ながら、できる限り有利な補助金も導入するということもお話をしながら、ご提言の趣旨を踏まえて、さらにグレードアップといいますか、中身の充実を目指してやっていきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

 

○横田委員

ワーキングで進めていることですので、ここでいい、悪いということはなかなか言えないと思いますけれども、本当にくどいようですが、どんどんやってほしいという意味でお願いしております。