平成16年第1回定例会予算特別委員会〜平成1638

 

○横田委員

 

◎駅前第3ビルについて

代表質問でとり上げた小樽駅前の再々開発といいましょうか、国際ホテルの件に関してお伺いいたします。繰り返しになってしまうのですけれども、駅前の一等地が空き家になっているという状況を、これは観光都市として、早急に手を打たなければならないことではないかという質問をさせていただきました本市のまちづくりに関して非常に重要な課題であり、市としてもできる限りの提案をしていきたいという市長のご答弁をいただきました。もう少し具体的といいましょうか、内容をお伺いしていきたいと思います。建築都市部に伺いますが、答弁の中にもありましたけれども、これは国際ホテルが出ていった平成1412月ですが、庁内の関係部による駅前第3ビル検討会議を設けた。そして、ここでさまざまな検討がなされたということなのですが、概略で構いませんので、どんなことが検討なされたのか、教えていただきたいと思います。

 

○建築都市部次長

駅前第3ビルの検討会議の検討内容についてのお尋ねでございますけれども、会の内容の中身としましては、主にはホテルの跡利用について。給排水設備の改修費がどのぐらいになるだろうか。空調設備それから内外装の費用がどのぐらいかかるか。特に跡利用では、どんな業種があれば、あのホテルの後をやっていただけるだろうかということで、そのホテルの後の営業の可能性について。そんな議論をしておりました。その中から、やはり専門の方の意見も聞くべきでないかということで、商業診断もやった方がいいのではないかということと、ほかには、競売についてのそれぞれ関係部の共通認識ということで、いろいろな情報の議論をしてございます。それから、さらにはどういったところがこういった場所に参画していただけるかということで、その参画企業の誘致の可能性について、議論をいただいているところでございます。

 

○横田委員

今、お話に出ました改修費が幾らかかるとか、あるいは給排水部分や空調がどうだとか、金額を試算されたということですが、どのぐらいかというのは出せるのですか。

 

○建築都市部次長

費用については、見方によって若干違うのです。ですから、おおよそ幾らぐらいというのは言えるのですけれども。

 

○横田委員

おおよそで構いません。

 

○建築都市部次長

例えば給排水設備ですと、1億5,000万円程度はかかるだろうと。空調設備でも1億円はかかるだろうと。内外装にしますと、外の壁の部分がどのぐらいかかるかというのがあるのですが、これも億単位でかかるだろうと。このような議論をしてございます。

 

○横田委員

私も実際何回か見ていますけれども、外壁も相当怪しくなっているし、下を通るのも怖いときもありますけれども、相当傷んでいるということですね。今のお話でも若干ありましたが、昨年3月にコンサルを入れたと、商業診断をしたということですが、経済常任委員会などに報告されているのかもしれませんが、いま一度確認の意味で、コンサルの結果といいましょうか、どんな商業診断をなされたのか、お聞かせください。

 

○建築都市部次長

経営コンサルタントに商業診断をしていただきましたけれども、第3ビルのホテルの部分ですけれども、一つには宴会場を持つようなシティホテルは経営的に厳しいであろうと。かなり難しいと。それから二つ目には、ビジネスホテルであっても、現在が80室しかございませんので、採算性が難しいのではないかと。それから三つ目として商業ビルとして考えても、物販、それから飲食店等で店舗を埋めるというのは、かなり無理がかかるのではないかという提言をいただいております。一つ、このコンサルの方から言われたのは、高齢者対応のケア滞在型ホテル、有料老人ホーム、マンションを検討してはどうかという提言をいただきました。この検討会議の中でいろいろ議論したのですけれども、一つには高額な有料老人ホームですと高額な権利金が必要になってくるそのほかに毎月の生活費がかかるということでそんな需要が果たして小樽でどのぐらいあるだろうかという議論もいたしました。それから、この場合の国、厚生労働省になると思いますけれども、この補助金はどのぐらいになるだろうかとか、経営の採算ラインというのは、どの程度だろうかという議論をいたしました。さらには、駅前のこの一等地で高齢者向けの施設というのは、いかがかというような議論をいたしまして、やはりいろいろな面で無理がかかるということで、この高齢者向けの、特に有料老人ホームですけれどもこれについてはやはり難しいとこういう結論になっているところでございます

 

○横田委員

私も実際に商店会の会長のお話も聞きました。宴会場のついているホテルは厳しいという話ですが、ビジネスで全国的なホテルに何件か打診をされたような話も伺っております。いずれも、今の現状のままではとってもだめだというようなお話だったように伺っております。再々開発といいましょうか、何とか当然あそこはしなければならないのですが、その一番のネックといいましょうか、これは何であると認識されておりますか。

 

○建築都市部次長

再々開発の一番のネックということでございますけれども、本会議でも市長から答弁させていただきましたけれども、三つほどあるわけです。それは、一番のネックの前提として、まず建物が老朽化しているとか、先ほど言いました設備関係に相当お金がかかる。改修費にもかかる。さらには、区分所有のビルであることから権利調整が難しいということもあるのですが、私どもの一番のネックというのは、多額の共益費があるということが一つありましょうし、それから現在の経済状況からいきますと、本来であると民間の方で多額な費用を負担してくれる参画者というのがいれば一番いいのですけれども、こういう参画者が今のところないと、これが一番大きなネックではないかと、このように考えております。

 

○横田委員

悪い条件がずいぶん重なっているわけですが、今、次長が言われたように、ホテルの部分は所有者がいないと。いないわけで、いろいろなことを進めるにも、どうにも進んでいかないということですね。5年間で競売を2回やりました。買い手がいない。このままでもたぶん共益費の問題もあるでしょうし、いないというか、買い手がつかないのかなという気がします今サンビル全体の面積は大まかでけっこうですがホテルの部分はどのぐらいでそれから小樽市もプールなどを所有していますが、その小樽市の分はどのぐらいなのか、簡単で構いませんけれども教えてください。

 

○(建都)都市環境デザイン課長

それぞれの面積でございますが、第3ビル全体の面積が合計9,875平方メートルでございます。これは占有面積でございます。そのうち、ホテル部分に関しましては5,744平方メートルです。それから、小樽市の持分につきましては、プールとかいろいろございますが、総計いたしまして、1,908平方メートルとなっております。それ以外のものにつきましては、それぞれの店舗といったものが所有してございます。

 

○横田委員

全体で9,800、ホテルが5,900ですから、引くと残りが4,000平方メートルぐらい。その残りのうちの小樽市が1,900というと、半分所有している。小樽市も所有者として、もちろん何とかしなければならないという立場でありますし、一番大所有者となっているわけです。ですから、この際は、市が指導的な立場に立ってやらないと、民間にお任せといいましょうか、お任せではないでしょうけれども、管理会社あるいは入居者に何とかしなさいといっても、これは至難のわざだと思う。先ほど言ったように買い手もつかないということで、いろいろな方法があると思います。今後入札がありますから、全くないとは言えない。どこかが買うかもしれない。それが一つですよね。それから、もう一つは、やはり市が指導的な立場に立つということは、資金面の話があるから、今、このような状況ですからなかなか難しいのですけれども、市が取得して、何とかする方法もあるかもしれない。また、買い手がこのままつかないのであれば、ずっとそうしたら入っている方がおられるわけで、そのまま入居者が営業していくのかという話にもなかなかならないのかと思うのですけれども、それこそ知恵を絞って、早急に何とかしていただきたいというのが、私の代表質問での趣旨です。経済部にお聞きしますけれども、あそこの地下から1階、2階とありますけれども、現在の状況といいましょうか、何か把握されていることありますか。

 

○経済部長

サンビルプラザ商店街という商店街を結成してまして、全体で23ぐらいの店舗を有しておりまして、それで4店舗ぐらいが空き店舗だと思います。店舗の業種、業態からいえば、ご存じのとおり、当然キーテナントとしてホテルがあるという前提できている店がやはり多いのだろうと思います。地階の飲食だとか、1階にあります店を含めて、ホテル仕様でできているような店が多いのかなと、そんな認識は持っております。

 

○横田委員

実際、商店会長にお話を伺ったのです。生の声ということでご紹介しますと、各入居者の売上げは、最盛期の半分ならいい方で、悪いところは3分の1だと。それから、所有者で開けて店を営業するより、従業員の関係とか人件費がありますので、開けているよりも閉めて共益費だけを払っていた方が赤字にならないから、店を閉めて共益費を払い続けているところもあるのです。売りたいし、貸したいというところがあるのだけれども、不動産業者を通しても、サンビルではねと言われる。買主も借主もいない。それから、私が会ったときの二、三日前にも、会長のところに閉店セールをしようと思うがと相談に来た店があると。もう少し待てと思いとどめたのですけれども、 将来の展望が全くないのに、このままずるずるとやっていけないと。もう体力がなくなってきているということもおっしゃっておりました。それから、ホテルの跡に不審者が入れないように措置しているそうですけれども、そこも破って入っていく者がいるらしいのです。何か上の方でよからぬことをしている人も現実にいたそうです。そういうことを避けるために、警備員を雇っているのですけれども、その警備費もホテルがいない分を残りで払っているわけですから、警備費も含めた共益費、この負担もなかなか大変だと、いろいろなお話を言っておりました。今、経済部長が言われたように、ホテルとしてあそこにないから、集客ができないのだというお話です。4定などで歩道橋の話も出ましたけれども、人の流れがやはり全然来ないというのです。ですから、何とか人を呼ぶためには、ホテルなり核となる施設が入ってもらえるようにならなければならないということを、今、経済部長が言ったようなことを言っております。けれども、もう一点、その経済部に伺います。要するに観光の最大といいましょうか、拠点であります小樽駅をおりた目の前ということで、我々、議員会で各地視察に行ったときに、駅前に大きなデパートなり、ショッピングセンターなりが空き家になったりホテルが空き家になっているところがあるのですがそういうところを見ますともう二度とここには来たくないと、そういう感じをしているところです。小樽も同じような状況ですので、観光面で経済部、何かお考えがありますか。

 

○経済部長

今、お話がありましたとおり、駅をおりてすぐにあるホテルということからすれば、イメージとしては非常に寂しいイメージを持たれるということでは、我々としても何とか早くあそこの部分が立ち直って、新たな展開をしてほしいと思っています。当然、滞在型の観光を目指していますので、ホテルという形で新たな展開をするのであれば、我々としても望むところですし、当然、先ほどありました商店街の皆さん、たいへん今、ご苦労なさっていますので、その方たちと一緒に、そこの活性化に少しでも寄与できればと思っています。我々もアドバイザーを入れたり、あるいは活性化事業の支援をしたりしているのですけれども、なかなか特効薬がなくて、現実は厳しい状況が続いています。ですから、そういう意味では駅前という、たいへん大きな顔ですから、何とか再生するという立場で我々も建設都市部と連携しながら、力をかしていきたいと考えてございます。

 

○横田委員

またその会長のお話になりますけれども一刻の猶予もならないというか今もう何とかしてもらわないともう歯が抜けたようにまたいなくなっていく店を閉めるところが出てくるさらに悪循環でお客さんも来ないこれが何年か後に、2年、3年後に、こういうふうになるのだよという展望が見えれば、それは何とか我慢してやっていきましょうというお話でもありました。最後に、市長から、これも、今、再々開発について、決意というか、今後どういうふうにやっていきたいのかという部分、お話を聞かせていただきたいと思います。

 

○市長

今、お話がありましたけれども、私どもとしても、駅前の一等地ですから、何とか早く再開してほしいという気持ちにかわりはありません。それで、問題は先ほどからいろいろお話があります。こういった問題をどう解決していくかということもございますし、何社かそういうホテル業者にも当たりをつけましたけれども、なかなかいい返事がもらえないということで、内外の意見を聞きますと、やはり再々開発しかないのかと思っています。これもホテル部分の床をどうするかという問題が実はありますから、こういった問題も含めて、どういった開発の手法があるのか、今、庁内で検討しております。その結果、市の負担というものもたぶん出てくる可能性もありますから、そういったものをトータルで考えて、さらにまた、権利者の意向もありますので、どういった形で進めていくのがいいのか。実は、今、中小企業支援センターからの補助をもらって、姿を書こうかということで進めています。そういったものも参考にしながら、権利者全体で今後の在り方を検討していこうと。問題は事業者をだれがやるかですから、その事業がある程度はっきりしないと、まだ前に進めません。そういうことを含めて、これからなんとか早く再々開発ができるように、市としてもそれに向けて取り組みたいと思います。