予算特別委員会会議録〜平成18年3月10日

 

横田委員

◎小樽の経済の再生の方向性について

代表質問で先ほど来から話題になっている小樽市の経済をどういうふうに再生していくのだ、活性化するのだということをいたしました。先ほど来から山口委員からの御指摘がありました。私もあれもこれもではなくて、どうなのだと。観光なら観光あるいは産業振興なら産業振興、大きな何か企業を誘致して、条例もできるようですから、産業振興したらどうなのかと、そういうお伺いをしたところ、やはりあれもこれもという、そういう御答弁になったのです。だから、簡単にその優先順位はつけられないかもしれませんけれども、小樽市としてはこれからの経済政策は観光でやっていくのだということなのか、あるいはどちらももちろん捨てられないです、いっぱいいろいろなことがありますから。ただ、何をもって経済の振興に活性化を図っていくのかというところが見えないものですから、これは部長の意見を少し聞きたいのですが、よろしくお願いします。

 

○経済部長

本会議の中で市長の方からもかなりいろいろな形で答弁させていただきました。一つは、将来にわたってまちの活力を維持するという、そういう立場からすれば、あのとき答弁した地域に密着する中小企業、まさに小樽は中小企業のまちなので、ここの部分を何とか健全な発展をさせなければならないというのが一つと、もう一つは、これはいろいろな議論のある地産地消を含めた資源の域内循環を高めると。それが小樽ぐらいの地域では必要なことだろうという形で中心的に議論をさせていただいていまして、特に中小企業の中でも、物づくり分野というか製造業、ここの部分の復権がなければ、これまで小樽というまちを支えた部分が欠落をしてしまいます。ここにちょっとショッキングな数字があるのですが、平成9年度の段階で小樽の場合、製造業が400件あって、1万人が働いていて、2,000億円の出荷額があったのですが、これは直近の16年度の数字、わずか7年の中で少し数字を丸めますけれども、300事業所、8,000人、1,500億円なのです。このわずか六、七年の間に100件減って、2,000人が従業者として減って、そして非常に大きいのはこの500億円、この分の出荷が減ったという。私はこれが非常に小樽にとって大きな分野だと思います。特に小さいけれども技術的には非常に光るという小樽の特性みたいなものが少しずつ失われているという部分が非常に大きいので、この辺の復権を図るという意味が、これから将来にわたって非常に重要な部分かなというのを中でも議論していますし、その部分のための施策も、地味ですけれども、やっているつもりでいます。

それからもう一つ、今、御質問にもありましたように、外からの力というのですか、つまり工業流通団地への企業誘致というのも、これは当面策としては直接的な税収とか雇用効果を考えると、やはり市としてはやらざるを得ないので、今回条例案を出して御議論をお願いしている。

それから、もう一つは、切り口は別ですけれども、観光産業という分野は今の小樽を支える分野では非常に重要な分野なので、我々も当面の中では力を入れていく。ただ、これからのまちの将来を考えたときには、また違うこともやらないとならない、そんなちょっと悩みも含めてやっていますので、御理解をいただきたいと思います。

 

○横田委員

今年の視察途中で富士通の大きな工場があり、少し忘れてしまって申しわけないのですけれども、そこは数千人が働いていると思うのですが、ああいう工場が来るかどうかは別にしても、そういったものも一つの視点ではないのか。それから、観光も今言われたように、未来永ごうずっとこれが成り立っていくわけではないわけですから、どこでどういうふうにするかという長期的なビジョンみたいなものを、経済部の方でやっていただければいいかなと思います。

それともう一点、北広島市の例を出して、民間の視点でもっと民間の力を利用する。アイデアをどんどん取り入れたらいかがかなと。まねをする必要はないからと言いましたけれども、その御答弁も、いや、十分に取り入れているのだというお話でしたけれども、やはり北広島市長が司会をして取り仕切ってやっているようですから、すぐ市長にという話にはならないかもしれませんけれども、その辺もちょっと民間の力をこれからどうやって生かしていくのかというのもお願いいたします。

 

○経済部長

御指摘のとおりだと思いますし、山田市政になって平成11年度から地場産業の振興会議、それから地域経済活性化会議、多くの民間の方々の御意見を伺って、今の施策づくりに結びついています。そして、それぞれそこから波及したいろいろな団体なり、研究会なり、実はそういうところに市長がみずから会長になったりしたものも、クラスター研究会とか、これからやります観光大学校なんかも市長を学長にとか、市長の性格から言ってもみずから出ていきますので、市長が先頭に立ってみんなの声を聞いてやっているというのは非常にたくさんありますので、十分民の方々の御意見は伺っていると思います。ただ、お話がありましたとおり、北広島市の例というのは非常にやはり直接的に伺っていますので、我々としてもその辺を参考にしながら、また、我々も十分民間の方々と連携をしながら、これからも進めたいというふうに思います。

 

○横田委員

ぜひ、もろもろは山口委員をはじめ、ほかの方々も細かい部分を指摘されましたので、重複しますので言いませんけれども、ひとつ本当に経済が活性化しなければ、小樽は先ほどの話のように沈没していくのかなと思います。

我々議員としてもじくじたる思いですので、ひとつ経済部の一層の御健闘をお願いいたします。

◎ひき船の減少について

ひき船について伺いますが、財政再建推進プラン等にも書いてありますが、現在の2隻体制を1隻にしていくという話でありますが、まず、どういう背景というか、どういうことで、財政再建のためなのか、あるいはどうなのかをまずお聞きをします。

 

○(港湾)企画振興課長

ひき船についてでございますけれども、これまで小樽港におけるひき船業務は、2,600馬力のひき船2隻を所有し、通常、この1隻又は2隻でひき船業務に対応しております。さらに、パナマックス船などの大型貨物船の入港時には、石狩湾新港所有の2,000馬力のひき船の応援を得て対応してまいりました。小樽港、石狩湾新港両港ともひき船が老朽化いたしまして更新時期を迎えたということに当たりまして、両港が現在よりもおのおの能力の高いひき船を1隻ずつ手当てをし、これからも相互応援することを前提にいたしまして、支障なくひき船業務ができるというふうに判断いたしまして、ひき船の1隻化ということを進めることにいたしました。

 

○横田委員

話はわかりましたが、先ほど石狩湾新港の話もありましたけれども、向こうは9月からチップが入るのですか、大きい船が入ってきますが、何か聞くところによりますと、こちらから石狩湾新港に行くには、申請をして、回数も限られているというふうに聞きましたけれども、そうなのですか。

 

○(港湾)企画振興課長

現在のひき船につきましては、両港とも平水区域の稼働ということで、港内での作業のみに限定されておりまして、お互い応援するときには沿海の資格を臨時沿海の申請をいたしまして、たしか年間20日だと思うのですけれども、その範囲内での応援ということで考えております。今度、更新する場合につきましては、初めから沿海の資格を取りまして、そういった臨時の切替えがなくても、365日お互いに応援ができるというような体制を想定しております。

 

○横田委員

今後、18年度から1隻体制にするということですが、スケジュールみたいなもの、今の2隻をどういうふうに1隻にしていくのですか。

 

○(港湾)企画振興課長

9月から新しい引船を購入いたしますので、その後につきましては、現在の2隻については売却をする予定にしております。

 

○横田委員

お話では、3,000数百馬力ですか、今度は大きいものらしいですけれども、新造船ですか。相当な金額がかかると思いますけれども。

 

○(港湾)企画振興課長

御指摘のとおり、新しい船ということになりますと相当高額になりますので、中古船を考えております。

 

○横田委員

8月まであと数か月ですけれども、現在の船2隻が、「たていわ丸」「さくら丸」ですか、これも相当老朽化といいましょうか、20数年経過していると思いますが、これを売却してという話ですけれども、それを売却する可能性と、それから中古船を見つけられる可能性、これはちゃんと算段されているのか。

 

○(港湾)企画振興課長

ひき船も老朽化いたしますと押す力というのがかなり落ちるのですけれども、引っ張るというような行為につきましてはできるということで、売却は可能と考えております。それから、中古船のひき船についても、現在ある程度めどをつけながら作業を進めております。

 

○横田委員

関係者の方から聞いたのですが、石狩湾新港の方の2,000数百馬力の古い船を更新するという話が進んでいて、それでこんな話になったのかというのですが、これは何か大丈夫かというふうに聞いたのですけれども、石狩湾新港の方は。それは大丈夫なのですか。ひき船、向こうが更新しないとちょっと困りますよね。パナマックス船が入ると。

 

○(港湾)企画振興課長

その辺は石狩湾新港と十分打合せをしていまして、お互いそごのないようにということで、連絡調整はとらせていただいております。

 

○横田委員

聞いた話で何かそんな心配もあるようなので、こちらが2隻売ってしまって1隻にして、向こうが決まらないでどうした、困ったなんていう話では、これは恥ずかしい話ですので、その辺をしっかりしてもらわないと。もう一つは、その2隻で全員が民間の会社ですね、お願いしていますけれども、民間委託していますけれども、たぶんお願いするときに相当無理を言ってお願いしていた状況を私も議会でも聞いていました。それを1隻にするということは、当然半分にはならないですけれども、人員が少し余剰になるということもお聞きしているのですが、その民間に負担をというか、こちらからお願いしておいて、では、1隻にしたから人は要らないというものでは、ちょっとどうかというようなところもありますけれども、その辺はその業者とうまく折衝ができているのでしょうか。

 

○(港湾)企画振興課長

現在9名の乗員で2隻の対応をしている状態なのですけれども、今度1隻ということで、半分といいますか、5名になると思われているのですけれども、差が出ます4名につきましては、既に年金が支給されている高齢の方とアルバイトの方が2名ということになっておりまして、その点につきましては、昨年から委託の会社と十分話をしておりまして、了解をいただいております。

 

○横田委員

うまく移行できるように、お願いをしたいと思います。

最後に、2隻を1隻体制にすることによって、どのぐらいの財政効果が出るか。それはプランに出ていましたけれども、委託料はどのぐらいで、手数料はどのぐらいなのか、その辺をお聞きして私は終わります。

 

○(港湾)企画振興課長

経済効果ですけれども、これまでの利益を民間委託にする体制と比べまして、これから料金の推移とか、ひき船の要請の価格についての変動によって左右されるものではありますけれども、現在のところでは約4,000万円程度は経費の削減になると考えております。

 

○横田委員

4,000万円圧縮できるということですね。