平成22年第2回定例会予算特別委員会〜平成22611

○横田委員

◎新市立病院の病床数について

私も、病院のことについて伺います。

今の鈴木委員の質問と相当関連する部分もあるのですが、計画概要(案)で388床という病床数が出されて以降、 報道では医師会の会長が、今の私的意見であると言いながらも、まだ多いのではないかという意見だったと思いますし、それから、今定例会の議論の中でも、今日はおられないのですが、成田祐樹議員は、本会議での言葉をかりれば、200床ぐらい、多くとも300床という発言も私は耳にしております。この388床、精神病床を除くと302床が、将来の人口減の話もありましたけれども、昨日のお話の中では、ここ10年は高齢者が激減しているものではないという話ですから、精神病床も入れて388床としましょうか、この数は、局長も、それから市長も、もうぎりぎりだ、少々の変更はあるにしても、原則はこの数だというふうにおっしゃっておりました。 それで、私がお聞きしたいのは、オール小樽といいましょうか、小樽市の地域医療全体を含めて、新市立病院の388床、何回か、こういうことで必要なのだと聞いておりますけれども、改めてもうちょっと詳しく掘り下げてお聞きしたい。いろいろと決定に至るまで、病院内の医師たちの御意見なんかも相当あったようにお伺いしますけれども、その辺をもう一回改めてお聞きしたいなと思います。

○経営管理部長

何度か説明してきておりますけれども、一つには、委員がおっしゃいました、最新の人口推計というのが基本的なベースになっております。実は、団塊の世代、その世代が今60歳ぐらいです。実際には、65歳ぐらいから医療費が非常にかさんでくる年代なのですけれども、80歳を過ぎると実際にできる医療というのは極端に減ってくるのです。だから、64歳から80歳くらいまでの間、今60歳の団塊の世代がちょうど20年後で80歳ですか、本当に一番多い世代がずっと高齢化していくのです。そういう意味では人口そのものは15年ぐらい同じで見ていますけれども、済生会がおっしゃるように、20年ぐらいは今の需要が続くだろうというのは私としても思っております。 そういう中で、診療圏分析とかも、当初の基本構想でやりましたけれども、いわゆるニーズ的には十分あると。北大の医師の意見としても、もう札幌に行くのも限界で、これからは小樽市内で何とか対応していかなければ大変なことになりますよという一つのレクチャーを受けながらこれをまとめていくと。 どのぐらいの医師の体制で臨めるのかはやはり一番のキーポイントでありますので、前にテレビで放映された十和田市立病院も、基本構想をつくったときはある程度の医師を充足されていたと思うのですね。充足されない状況では困りますので、病院局長が両病院長を中心に診療科の医師一人ずつとまず話し合いました。御自分の考えを含めて、医局がどう考えているか、何人体制でやっていけるのかというところを一つずつ積み上げまして、新市立病院になったらこのぐらいのことはやりたいということで、全体としてはまだ、結局、はばけてしまうのです。では、330床、340床にするのか、それはできないという中で、効率化を図ってやっていきましょうということで、現実的な病床数をはじき出してまいりました。それが一般病床302床です。精神科の病床数は千葉委員のやりとり等がありましたけれども、あれは大学の医局等も含めて開放病棟40床、閉鎖病棟40床と、あと結核感染症はやむを得ないということで考えておりまして、昨日もちょっと申し上げたのですけれども、専門の医療コンサルに聞いても、それ以上の数字は出ませんと。理屈づけはいろいろするかもしれないけれども、出ないということで考えております。

一つは、病棟単位が、1病棟大体42から43床で考えておりまして7病棟です。ですから、病床を落とすとなると、1病棟を落とさざるを得ないのですね。10床を落としても看護単位は変わりませんので、例えば、これを250床にできるかというと、実際、今の患者数が新病院に入ったら、4月で96パーセントの利用率で回さないと入らないのです。そういう中では、やはり今の302床が適正だと。昨日、成田祐樹委員の指摘があった30年後、40年後はどうだというと、そうあってほしくはないですけれども、人口減が起きて患者が減るときは、民間病院とも話し合いながらどうやってダウンサイジングしてくのか、どういう役割分担をしていくのかは、当然議論していかなければならないと思います。現状の388床というのはそういう考えの下で設定したものでございます。 一つには、ネットワーク化協議会の400床前後というところの流れの中での見直しでもあったということです。

○横田委員

昨日のお話の中でも、新市立病院が整備されれば、札幌に行っていた患者たちが戻ってくるといいましょうか、需要がさらにふえるという話もありました。その中で、今、おっしゃったいろいろな理由で388床なのだということは、我々としては、現段階では適正な数なのだと思っていますけれども、冒頭に言ったように、小樽の医療を支えている重要なファクターである医師会の御意見が、その組織としてのお答えではないかもしれませんけれども、小樽市全体としてはまだ多いかなということだったと思います。

来週、話合いといいますか、意見交換されるようですけれども、これまで医師会のほうから、こういう診療科目でこのぐらいの数字にしたらどうかというか、最終決定は小樽市でしょうから、例えば小児科はどうなのだ、何科はどうなのだという具体の話は、フォーマルでなくても、オフィシャルでなくてもいいのですけれども、今までなかったのでしょうか。

○経営管理部長

私は当初の基本構想のときには携わっておりませんけれども、公式文書で出ているのは、当初の基本構想を出したときに、小樽市医師会の意見ということで出されたものがございます。これは平成16年だと思うのですけれども、その中では、病床数については特に具体的な提示はございません。ただ、重点的な整備をすべきだということがあったと思います。診療科目については、文章は長いのですけれども、一定程度、こういうものを重点的に整備と具体的にありまして、既存の病院が持つ専門性の重複は避けるべきというだけで、何をどうということはこの時点ではございませんでした。 私が担当してからも、御承知のように、医師会はこの基本構想にはかなり批判的な部分が多かったのですけれども、やはり、総花的ということと一病院完結型、それから病床数が多いというお話はあったと思います。それぞれの会員の方が個々に何を言っているかは別にして、その中で具体的な部分というのを私は聞いておりません。市長も答弁しておりますが、例えば、多いのであればどういう診療科が多いのか、病床数であればどれだけ多いのか、根拠はどういうことだと、やはり具体的に議論していかないと、ただ多い感じがするというだけでは、これ以上、議論は先に進めないので、来週伺いますので、その中でできる話があれば、ぜひ具体的な話も含めて議論したいと思います。

○横田委員

もうちょっと早い時期といいましょうか、双方の意見を聞きながら、例えば、医師会としても、こういう理由だから何床にしてくださいというのはなかなかつくりづらいと思うのです。当然、市立病院としてのデータをもっているわけでもないですし、もちろん調査も限界があるでしょうから、医師会や病院とのネットワーク化協議会はやってきたわけですけれども、これだって多い回数ではないわけで、その辺でお互いがずっと歩み寄れば、もう少し早くいろいろな部分で進展があったという気が私はしております。 ですから、鈴木委員が言ったように、今後は、来週も含めて、来週1回でどうできるかは別にしても、やはり地域の医療を支えている方々としっかりした議論というか、うまく言えませんけれども、その辺は必要かと思います。ぜひ、昨日の副市長のお話ではないですけれども、またこれからもやられると思いますので、それについては改めてお願いしたいと思います。ですから、振出しに戻りますけれども、308床、これについて、しっかりと病院側もこういうことでこれだけ絶対に必要なのですというアナウンスを、市民に向けてしっかりとしていただきたいというのが私の希望であります。

◎計画概要(案)での3次救急について

質問を変えますが、計画概要(案)の中で、3次救急のことにちょっと触れています。ここでは、本当に一刻を争う脳卒中だとか心筋梗塞というのでしょうか、そういう方々は、基本的には札幌へ送るということなのでしょうけれども、そういったいとまのないときには受ける―こういう書き方をしていますね。3次救急の領域にも踏み込んだ対応を目指すこととしておりますとなっていますけれども、この辺について、もう少し、どういう体制を組むのかも含めてお教えいただければと思います。

○経営管理部長

実は、3次救急という言い方に、何か用語の定義みたいなものがあるようなのですが、その中では、実際は100万人に1か所ですか、そういう意味では本当の3次救急に該当はしないだろうというのが考え方としてありまして、 今、委員がおっしゃった部分は、計画概要(案)19ページの用語解説に述べさせていただいたのですけれども、その中でも、心筋梗塞とか脳卒中の対応というのは基本的に3次の領域に入るものと、あと、総合的な診療科での救急に当たるというのが3次の領域なのです。ですから、小樽で3次をやっているということにはならないですけれども、局長が各医師と話し合う中で、やはり、自分たちは3次に踏みとどまってやっているのだという熱意があるものですから、そこはあえて3次というふうに書かせてもらいましょうと。これは3次ではないだろうと言われたら、そうではなくて、その姿勢をここに示したというふうに説明しようということで、ちょっとつけたのです。 でも、実際には、基本的に3次対応するということと、もう一つ、これは実現するかどうかわかりませんけれども、そこまで医師がきちんと安心して医療ができるためには、やはりヘリポートが必要だというのです。要するに、とにかく命ということで、自分のところである程度やりますよね。そして、次に送れるというのがきちんとできていれば、よく2.5次という言い方をするのですけれども、安心してそこに臨めるだろうということで、今後の検討課題でもありますけれども、そういった意味でここは3次救急とうたわせていただいたということでございます。

○横田委員

我々は小樽市民でありますから、今言ったような病気がいつ起きるかわからないときに、サイレンを鳴らして救急車で高速道路を走るのが本当に小樽の医療なのかという部分はあるわけです。ですから、ヘリポートはちょっと別にしても、本当に時間がないときに助けてもらえる態勢をとれるのは、たぶん市立病院しかないでしょうから、それも視野に入れてもらいたいということです。どのぐらいあるのかと聞いても御答弁はないのかもしれませんけれども、本当に危うくて、札幌に送ったけれども、だめだったみたいな、そんなデータはないのでしょうか。もしあればと思ったりしましたけれども、そうすると、そういった人たちが助かる医療というのは、まさしく市立病院の担う役目だと思うのですね。 繰り返しになってしまいますけれども、もう一度、3次救急の意気込みというか、本当に需要が余りないのならいいのです。いいのですというか、今、24時間対応の総合診療科で対応するということでいいのでしょうけれども、そうでなければ、医師も含めて充実した体制にしていただくというか、していかなければならないという気はするので、その辺ももう一度お答えいただければと思います。

○経営管理部長

その件数は把握しておりませんけれども、少なくとも医療センターの機能におきましては、24時間すべて受けておりますので、そういう中では体制ができていると思います。

3次の中でもより高度な3次というのがまたありますので、そういうものは送らざるを得ないかもしれませんけれども、まず、救急としての2.5次の部分はやっているというふうに考えていただいて、これが新市立病院だと、今は機能としては別々なのですが、ほかの診療科と一緒になることによって、例えば多発外傷とか、脳神経外科も、心臓血管外科も、整形外科もあって、運ばれてきた患者を診ることが必要なものですから、計画概要(案)の中にも書いていますけれども、新市立病院になれば二つが一緒になったことによって、今よりもはるかに救急部門が充実できるという考え方ですので、委員のおっしゃっている部分の対応はできていくものと思っております。

○横田委員

最後になりましたけれども、前にちょっと聞いたお話では、札幌市内なんか、今言った脳卒中だとか心筋梗塞の患者に対して、本当に1分1秒を争う場合、救急車が行って病院に運ぶ、その途中に病院からも来てドッキングして、そういうことをして助かっているという例も相当あるらしいのです。それぐらい、3次と言ったらいいのかどうかわからないのですが、人の命を助けることに相当神経を使っているというのです。新市立病院も、小樽市内ではなくて、後志などからそういった患者がいた場合には、将来はこちらからも向かっていく態勢も検討しながら、医師も含めて、3次の体制はしっかりやっていただきたいと思います。

◎新市立病院のヘリポートについて
次に、1点だけ、ヘリポートをつくると言いましても、もちろんヘリコプターは置かないでしょうから、その辺の仕組みはどんなふうにお考えになっているのか、日々の活用といいましょうか、具体的に北海道のヘリコプターを使うとか、そういう格好でしょうか。ヘリポートをつくったはいいけれども、活用の部分でちょっと心配ですので、それだけを教えていただきたい。

○経営管理部鎌田副参事

ヘリポートでございますけれども、基本的に、今の市立小樽病院は災害拠点病院として指定されておりまして、新市立病院になった後も災害拠点病院となります。この要件として敷地内にヘリポートをつくることにもなっていますので、ヘリポートは基本的に設置しようと思っています。そのときに一番可能性としてあるのは、例えば、後志のどこかで災害が発生して、そこからの患者あるいは物資の輸送ということで依頼したヘリコプターが飛んできておりるということと、あとは、先ほど部長が答弁したように、患者を違う病院に送るというようなことで、ヘリコプターそのものは依頼をして来ていただく、それに乗せてどこかへ運ぶ、そういうような飛行場外離発着場、そういう位置づけでございます。

○経営管理部長

トータルで新市立病院では当然検討していくのですけれども、やはり、この救急の問題は市立病院だけで協議する問題では全然ないので、先ほど言ったネットワーク化協議会のメンバーになるのか、さらに部会を設けるのか、これこそ小樽市内の病院の連携の中で問い続けていく、そういうことを協議いただいた中で新市立病院の救急のあり方も決めていきたいと思っております。